
リヤド: 国際通貨基金(IMF)中東・中央アジア部の報告書によると、湾岸協力会議(GCC)経済圏におけるデジタル化とマクロ経済の好転には正の相関関係がある。
木曜日にリヤドで開催された円卓会議で、同部門のゼイネ・ゼイダン副部長は、近年GCC地域で起こっている急速なデジタル化と、それが公共部門と民間部門の両方にもたらす重要な支援について語った。
「この地域は非常に興味深い経済的変貌を遂げつつある」
IMFは、デジタル化が今やGCC諸国の国家ビジョンの重要な柱であり、国内総生産の成長、政府業務の合理化、生活水準の向上、全国的な接続の加速といった取り組みにおいて極めて重要な要素となっていることを調査した。
ゼイダン氏は特に、COVID-19の大流行以来、この地域でデジタル化が加速していることを強調し、それが遠隔医療、デジタルバンキング、電子商取引、バーチャルコートといった分野の発展に反映されていると述べた。
「2020年から現在に至るまで、この地域では全般的に急速な進歩が見られる。平均して、この地域は全体よりもかなり先を行っている」
とはいえ、IMFはこの地域の公共部門と民間部門におけるデジタル化の取り組みをさらに強化するよう提言した。例えば、前者では、市民とのデジタル・エンゲージメントや政府基幹システムのデジタル化をさらに推進する必要がある。さらに、データ・プライバシー法やサイバーセキュリティ・ガイドラインを見直し、更新して、リスクを軽減し、信頼を高める必要がある。進化するデジタル産業を補完する規制も、地域全体で統一的に導入されなければならない。
金融分野では、競争を促進する金融技術の業界主導の開発に加え、デジタル決済と電子商取引の利点を促進すべきである。市場規模を拡大するため、国境を越えた協力と決済も推奨される。
企業部門と労働市場に関しては、IMFは、中小金融企業は新技術を採用することを学び、常にスキルを更新すべきであると勧告した。また、デジタル・インフラ、産業、イノベーションへの的を絞った投資も顧問した。
さらに、企業や労働市場では、特に人工知能の進歩の結果として予想される雇用市場の潜在的な変化を考慮し、デジタル・スキルを強化するための教育と訓練に重点を置くべきである。
「過去数十年のテクノロジーの歴史は、常に雇用の創出があったことを示している。つまり、どこかで雇用が失われれば、別のどこかで多くの雇用が創出されるのだ」
アラブニュースから、教育やキャリアの多様性が失われる懸念や、デジタル教育に注力することで創造性や批判的思考力が後回しにされる懸念はないかと尋ねられたゼイダン氏は、AIは人間の思考に取って代わるものではないと答えた。
彼は、AIを「創造性を育むために」使うのであって、「思考を置き換える」ために使うのではないと説明した。最大の課題は、人間の創造性や思考を維持しながら、教育システムの中でデジタルスキルを構築することだと同氏は予測した。
サウジアラビアのGovTech成熟度指数は、2020年から2022年にかけて0.7強から1.0弱まで上昇し、GCC諸国の中で最高位となった。この指数は、政府のデジタル変革に関する各国の成熟度を測るもので、地域平均は0.85である。
GCC地域はデジタル接続という点では世界でもトップクラスだが、個々の国によっては高度な情報通信技術スキルの向上から恩恵を受ける可能性があるとゼイダン氏は指摘する。多くの個人は基本的なスキルを持っているが、高度な知識はまだ不足している。しかし、この地域の先進的なインフラは、GCC諸国がデジタルスキルと産業統合を改善する余地を与えている。
ポジティブな面もあるが、この地域はある面ではまだ追いついていない。
「一般的に、デジタル経済のGDPへの貢献は……米国に比べ、この地域で最も進んでいるサウジアラビアでは、まだかなり遅れている」とゼイダン氏は述べた。
一方、デジタルアクセスの取り組みは順調に進んでおり、IMFが新たに開発したEnhanced Digital Access Index(国のデジタルインフラと包括性のさまざまな側面を測定する指数)によっても明らかなように、GCC地域は世界的に先進国との差を縮めている。
サウジアラビアは2017年から2020年にかけて、デジタル経済からの貢献が2.9%急増した。同指標によると、この間、デジタルインフラを活用したデジタル経済によってGDPの730億SR(約195億ドル)がもたらされたという。
ゼイダン氏はまた、GCC諸国がAIの進歩に備える態勢をさらに強化するため、デジタル・イノベーションと規制の分野でのさらなる取り組みを推奨した。