
東京:日本のトップ発電事業者であるJERAは、液化天然ガス(LNG)の潜在的な供給源としてアラスカを検討する可能性がある。
アラスカLNGは、パイプラインとLNGプラントで構成される440億ドルのプロジェクト案であり、ドナルド・トランプ大統領がアジアのパートナーとの交渉で重要な役割を担っている。
「エネルギー安全保障と安定供給の観点から…他の様々な選択肢の中で、アラスカを有望な供給先の一つとして検討したい」と、JERAの前川直行氏は月曜日のブリーフィングで語った。
トランプ大統領は日本に対し、24%の対米輸出関税を課したが、他の関税と同様、交渉の余地を与えるため7月上旬まで一時停止している。輸出の多い日本経済の主力である自動車には25%の関税がかけられている。
日本の赤澤亮正通商交渉官は、今週後半にも米国政府高官と関税交渉を行う予定だ。
JERAは年間約3,500万トンのLNGを購入する日本のトップバイヤーであり、日本は中国に次いで世界第2位のLNGバイヤーであり、オーストラリアはそのトップサプライヤーである。
「アジア・オセアニアは現在、我々の調達ソースの半分以上を占めている。JERAの前川氏は、「安定供給のためには、北米や中東といった地域にも選択肢を広げることが有益だ」と述べた。
前川氏は、さらなるポートフォリオの多様化の必要性を強調した。JERAはLNGの約10%をアメリカから調達している。
この問題に詳しい関係者が先週ロイターに語ったところによると、トランプ大統領のエネルギー安全保障会議は6月上旬にアラスカで首脳会議を開催する予定であり、その際に日本と韓国がアラスカLNGプロジェクトへのコミットメントを発表することを期待しているという。
2人の業界関係者によると、日本企業は建設コストが高く、具体的なプロジェクトの詳細が明らかになっていないため、確固とした約束をすることに慎重な姿勢を崩していないという。
日本の大手LNGバイヤーである東京ガスの南拓CFOは月曜日、アラスカLNGは地理的に日本に近く、安全な輸送のための運河や海峡がないことから恩恵を受ける可能性があると述べた。
利益は半減
月曜日、JERAは海外発電事業と再生可能エネルギー事業の業績悪化により、年間純利益が半減したと発表した。
月期の純利益は1840億円だったが、今期は2300億円まで回復する見込みだという。
JERAの2024/25年度のスポットLNG調達量は約500万トンで、前年の450万トンから増加するという。
ロイター