
北京/シンガポール:原油価格は金曜日に堅調に推移し、イランからの供給が戻る可能性はあるものの、米中貿易摩擦の緩和により2週連続の上昇となった。
ブレント原油先物は、サウジアラビア時間午前6時26分までに1セント安の1バレル64.52ドルとなった。米ウエスト・テキサス・インターミディエイト原油先物は2セント高の61.64ドルだった。
両限月とも前場は、イラン核合意の見通しが高まったことによる売りに押され、2%以上下落した。
ドナルド・トランプ大統領は、米国はイランとの核合意に近づいており、テヘランはその条件に「一応」同意していると述べた。しかし、協議に詳しい情報筋は、まだ解決すべき問題が残っていると述べた。
INGのアナリストはメモの中で、核合意によって制裁が解除されれば、供給リスクが緩和され、イランは石油を増産し、より多くの買い手を見つけることができるようになると述べている。その結果、日量約40万バレルの追加供給が可能になるという。
潜在的な供給圧力にもかかわらず、ブレントとWTIは週初に急騰した後、今週は1%上昇した。世界2大石油消費国であり経済大国でもある米中両国が、貿易関税を大幅に引き下げる90日間の貿易戦争休止に合意したことで、センチメントが好転した。
米中間の高額の相互関税は、世界の成長と石油需要に急激な打撃を与えるとの懸念を高めていた。
フィッチ・ソリューションズ傘下のBMIのアナリストは、2025年のブレント平均価格は68ドル/バレル、2026年は71ドル/バレルと、2024年の80ドル/バレルから下落するとの予測を維持した。
「90日間の冷却期間は、双方の貿易障壁を下げるための追加的な進展のための扉を開いておく一方で、長期的な貿易政策の不確実性は、価格の上昇を制限するだろう」とアナリストは調査報告書で述べた。
市場の懸念に拍車をかけたのは、予想される黒字だ。
国際エネルギー機関(IEA)は木曜日、サウジアラビアと他のOPEC+加盟国が減産を解除するのに伴い、2025年の世界供給増加予測を38万B/D上方修正した。
IEAはまた、2025年の世界石油需要予測を2万B/D上方修正したものの、来年は黒字になると予測した。
投資家たちはまた、連邦準備制度理事会(FRB)による金利引き下げの兆候にも注目していた。
今週初め、米エネルギー情報局が発表したデータでは、原油在庫が予想以上に急増し、世界最大の石油消費国である米国の需要懸念が高まった。
ロイター