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イラン、EUと英国に新たな制裁措置で対抗

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26 Jan 2023 02:01:33 GMT9
26 Jan 2023 02:01:33 GMT9
  • マフサ・アミニさんが拘束中に死亡したことに端を発した数カ月にわたる抗議行動への対応をめぐりEUとイギリスはイランに制裁を課しているが、同国政府は対抗措置を取ると警告していた

テヘラン:イラン政府は25日、国内での数カ月にわたる抗議行動への対応をめぐる制裁措置に反発し、欧州連合(EU)と英国の34の個人および団体に対する制裁を発表した。

イラン外務省は声明で、制裁にはイランの銀行における口座や取引の停止を含む金融措置、およびイランの「ビザ発給と入国の禁止」が含まれていると述べた。

イランは世界で最も制裁を受けている国の一つであり、過去40年間、欧米諸国は同国に変化を促すため数多くの懲罰的な措置を講じてきた。

今回の対抗措置に先立ち、イラン政府は24日、服装規定違反の疑いで逮捕されたマフサ・アミニさんが拘束中に死亡したことに端を発した数カ月にわたる抗議行動への対応をめぐり、EUとイギリスが同国に課した新たな制裁に対抗していくと警告していた。

イランに対する各国の制裁措置の経緯の概略は、以下の通りである。

1979年11月、イランの革命派学生たちがテヘランの米国大使館を襲撃し、52人を人質に取って世界を驚かせた。

1980年、444日間に及んだ危機のさなか、米国はイランとの国交を断絶し、通商・旅行にも制限を課した。

1983年、レバノンの首都ベイルートで241人の海兵隊員がトラックによる自爆テロにより殺害され、米国に衝撃を与えた。その直後には、再度の爆弾テロでフランス軍58人が死亡している。

1984年、米国はイランが自爆攻撃に関与した疑いがあるとして、同国を「テロ支援国家」に指定した。

3年後の1987年、当時のレーガン大統領は、アラビア湾で米国の艦船が襲撃されたことを理由に、イランからの輸入を全面的に禁止し、米国からイランへの輸出も一部規制した。

1995年、当時のクリントン米大統領は、イランがテロ活動を支援していると非難し、貿易・金融関係の全面停止を命じた。

イランの石油部門に投資する企業をターゲットとした措置であった。

2002年、当時のブッシュ大統領は、イランを「悪の枢軸」と呼ばれるテロ支援国家のグループに加えた。

2005年、イランで強硬派のマフムード・アフマディネジャド大統領が新たに選出され、ウラン濃縮の凍結が解除されると、イランが核兵器を開発しようとしているとの懸念が強まった。

2006年から2010年にかけて、国連はイランの核・弾道ミサイル開発計画に関係する組織に対して4回の経済および貿易制裁を採択し、その資産を凍結した。

2008年、米政府は自国の銀行によるイランとの間の資金移動の仲介を禁止した。

核兵器開発の意図を常に否定してきているイランだが、同国に対しては武器禁輸措置も取られ、政府への融資も制限されている。

2010年から2012年にかけては、イランの根幹をなす石油部門に投資する外国のグループに対する報復的な措置が発表され、自動車産業もまた標的となった。

EUはイランへの技術支援や石油関連技術の移転を禁止し、石油禁輸を断行、イラン中央銀行のものを含む数百件の資産を凍結した。

2015年、イランの核開発計画をめぐり世界の列強による歴史的な合意が実現した。この合意では、2006年以降に課された核関連の制裁を段階的に解除することが定められていた。

2018年、当時のドナルド・トランプ大統領の決定により米国はこの合意から離脱した。

トランプ大統領は、米国の長年の敵、イランに対して「最大限の圧力」を加えるという戦術の一環として、同国および同国に関係する企業への制裁を再強化し、その中央銀行と石油部門に打撃を与えた。

2019年4月、米政府はイランのイスラム革命防衛隊をテロ組織に指定した。

2021年、ジョー・バイデンが選挙で勝利して新大統領に就任すると、米政府は核合意の復活を目指し、EUが仲介するイランとの間接協議をウィーンで開始した。

2022年、マフサ・アミニさんが逮捕された後9月16日に死亡したことから勃発した女性主導の大規模な抗議運動に対し、イランの悪名高い道徳警察による残忍な弾圧が行われた。これに対し、米国とEUは新たな制裁を発動した。

2023年1月23日、EUはイラン当局による弾圧をめぐる第4弾の制裁で、革命防衛隊の複数の指導者を対象に加えた。

AFP

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