ファイサル・フェイク
ブレントは1バレル$32.50で終了し、3週連続の上昇となった。一方、WTIは2ヶ月ぶりの高値となる1バレル$29.43まで上昇して引けた。
ブレントとWTIのスプレッドは大幅に狭まって1バレル$3.07となり、米国の原油輸出の競争力はブレントと関連するその他の大西洋海盆原油に対して弱まっている。
COVID-19を巡って経済の見通しが不透明なことから市場のセンチメントが慎重になっている中、そのような弱気な不透明感にもかかわらず石油は上昇した。
原油現物市場は依然として、世界中のタンカーに貯蔵されている数百万バレルに苦しめられた。
S&Pグローバル・プラッツの報告によれば、浮体式貯蔵されている原油と石油精製製品は2億バレル以上存在する。
それでも、原油需要の見通しは各国政府のロックダウン緩和措置により改善している。
OPEC+の供給量削減を順守する兆候が強いことが、市場のセンチメント改善に拍車をかけた。特に、OPEC内の大手生産国がすでに6月の減産を強化しており、今後さらに減産が拡大する可能性もある。
これに加え、米国やカナダ、ブラジル、ノルウェーなどOPEC+以外の生産国も大幅な減産を行っている。
米石油採掘装置(リグ)稼働数は9週連続で減少が続き、34減の258リグとなった。これは、米国の原油生産のさらなる落ち込みが差し迫っていることを暗示している。
中国の精製能力は4月に1,316万バレル/日まで増え、コロナウイルスの大流行以来初めて上昇した。同国は1ヶ月に及んだロックダウンから抜け出し始めており、5月および6月はさらに増加することが見込まれる。
このことが石油トレーダーたちに、今後数週間にわたって需要が回復し始めるとの希望をいくらか与えた。中国が世界最大の原油輸入国であることは忘れられていない。
石油需要の見通しは、特にアジアで改善した。市民が再び自家用車を運転し始めたことによるガソリン消費の増加が主な原動力となった。