
日本の株式は火曜、2ヶ月以上ぶりの最高値まで上昇した。安倍晋三首相が非常事態を解除し、コロナウイルスのもたらした全国的な制限を終了したことで、投資家に安心感が広がった。一方、米国の株式先物はチャート上の主な壁を突破した。投資家は米中の貿易摩擦を受け流し、中国におけるさらなる景気刺激策や世界経済の再開へと目を向けた。
日本の日経平均は2.6%上昇し、コロナウイルスの経済的影響が明確になりつつあった3月初旬以来の最高値への道を開いた。
MSCIの最も対象範囲が広い日本を除くアジア太平洋地域の株式指数は1.6%上昇し、韓国の指数も1.7%上がった。
S&P 500のEミニ先物は1.8%上昇し、チャート上で3,000の水準をクリアした。EUROSTOXX 50先物は1.3%、FTSE先物は2.4%値上がりした。中国のブルーチップは、
同国の中央銀行が経済政策を強化し、貸付金利を引き続け引き下げると述べたのを受け、0.8%高と堅調だった。
中央銀行の発言は大部分が過去のコメントの繰り返しではあったが、貿易をめぐるワシントンと北京との間の舌戦と、中国の提案した香港におけるより厳しい治安法を相殺するのに役立った。
「背景では米中の摩擦が引き続きくすぶっているが、株式投資家は世界中で経済が再開する見込みにより関心を示しているように見える」と、NABでシニアFXストラテジストを務めるロドリゴ・カトリルは述べた。
「この点に関して、日本では全国的な非常事態が終わり、スペイン人たちはマスクを着用してマドリッドのバーに戻ってきた。英国でも6月1日に一部の企業が再開する予定だ」
火曜、ドイツはもしコロナウイルスの状況が許せば、6月15日から欧州31ヶ国への観光旅行に対し渡航制限を解除したいと考えているという報告があった。
債券投資家は、経済が再開してもまだしばらくの間は中央銀行による巨額の支援を必要とし、政府の借り入れが大幅に増えるため低金利が続くだろうと考えている。
米10年物国債の利回りは0.67%で取引されており、市場が新規発行の大きな波を吸収して0.74%まで上がった先週の一時的な急上昇から回復した。
米国の利回り低下はドルの重荷だったかもしれないが、あらゆる金利がほぼゼロかマイナスの状況の中、主要通貨は狭い値幅での動きに終始してきた。
ドルは月曜、円に対して107.83とわずかに上昇したが、5月始めから続いている105.97~108.08の範囲内に十分とどまっている。
ユーロは$1.0916と小幅に値上がりし、これまで1ヶ月の間、$1.0765~$1.1017の間を行ったり来たりしている。
通貨バスケットに対してドルは0.2%安の99.620だったが、まだ99.001の支持線と100.560付近の抵抗線に挟まれている。
CBAのアナリストたちは、もし米中摩擦が実際に貿易協定の脅威となれば、ドルはより高値へ急上昇する可能性があると感じている。
「中心となるシナリオではないものの、もし米国か中国が第一段階協定から脱退すれば、USDは急上昇し、一方でCNH、AUD、NZDは下落するだろう」と、彼らは顧客へのメモに書いた。
商品市場では金が一時0.1%高の$1,731まで上昇した。
石油価格はOPECの減産、および米国とカナダの稼働リグ数が3週連続で過去最低レベルに落ち込んだことによる供給量の減少が支援材料となった。
ブレント原油先物は68セント高の1バレル$36.21となり、米国産原油は$1.14上昇して$34.39となった。
ロイター