
ヘブシ・アルシャマリ
リヤド: 石油大手アラムコなどのサウジ企業が、コロナウイルスのパンデミックにもかかわらず回復を示している。コロナウイルス到来前に導入した改革が功を奏したと、アナリストたちは述べる。
この世界最大の石油会社は、社会・経済改革のためのサウジビジョン2030がきっかけとなった、幅広い企業改革の象徴となってきた。
サウジアラムコは今月、世界上位2,000社の大手企業をランク付けする「フォーブス・グローバル2000」リストのトップ5に入った。
このランクインは、昨年の利益882億ドルを報告した世界で最も利益を生んでいる企業として果たされた。
今年のランキングは、世界的なパンデミックの中で発表された。パンデミックは一部の企業の利益に大きな打撃を与える一方で、地位を向上させた企業もあり、全ての企業の回復力を試すテストとなった。
また、COVID-19ロックダウンと石油価格の暴落という2重のショックに耐え得る王国のトップ企業の能力にスポットライトを当てた。
サウジアラムコは名誉あるフォーブス・リストにデビューする前の昨年、世界最大の新規株式公開を完了している。
このランキングは売上、利益、時価総額、資産の組み合わせに基づいて作成されている。リストの上位5社のうち3社は中国企業で、4兆3,000万ドル以上の資産を有して8年連続で首位に輝いた中国工商銀行も含まれる。
フォーブスはリストに入った企業の多くが、COVID-19パンデミックの結果として特に困難だった第1四半期の、「Great Cessation(大いなる停止)」とも呼ばれる時期を乗り切ったと指摘した。
「多くの企業や組織がCOVID-19危機の影響を管理・軽減することにおいて、困難な状況に直面しました。しかしながら、一部には十分な準備を整えており、最小のダメージでこの危機を回避するための行動計画を立てていた企業も存在しました」と、サウジの戦略・事業計画策定コンサルタント、ファハド・アルファイフィは述べた。
パンデミックは、ビジョン2030アジェンダの主要な一部を形成する経済改革によって推進されている、王国の企業状況の歴史的な変化の時期に起こった。このビジョンの目的は、同国の石油収益への依存を減らし、若い人たちのために新たな雇用を生む経済分野への投資を刺激することである。
このような背景は、王国内の多くの企業がパンデミックの到来や石油価格の暴落が新たな課題を生み出す前に、すでにビジネスのやり方を変えていたことを意味する。
世界経済フォーラムが年に1度発行する『世界競争力レポート』の昨年版は、電子商取引やフィンテックなどのデジタル技術に対する国の適応能力を評価するITガバナンスに関して、王国をG20諸国中の第3位、世界中の第11位に位置づけた。
そのような技術的スキルは、パンデミック後の世界に対して自らを再調整し適応しなければならない経済国にとって、ますます重要性が増している。
サウジ調査研究センターの理事ナセル・アルカラウィーは、一部のサウジ企業の成功を、民間部門によって最近成し遂げられた素晴らしい業績のおかげと考え、最終的にはより多くのサウジ企業がアラムコと並んでフォーブスのリストに入るだろうと予測した。
「国家経済は法規制に関して非常に大きな改善と発展を経験し、それらが制限と官僚主義の軽減に役立ってきました。同時に政府は、石油への依存軽減に取り組んできました。ビジョン2030は王国の世界的な存在感の大きさをさらに強固なものにし、経済的にだけでなく政治的にも、世界の意思決定に対するより大きな影響力を王国にもたらすでしょう」
湾岸研究経済コンサルテーション・ビューローのCEOタウフィック・アルスワイレムは、サウジ企業の多くが強力な立場でパンデミックから抜け出すだろうと述べた。
「利益に関して、世界全体では激しい経済戦争の状態を乗り切ろうとしていますが、サウジ企業は上手くやって来ました」と、彼は言う。「今後数年のうちに、より多くのサウジ企業が台頭するのを見ることになるでしょう」