
東京:日本の日経新聞の分析によると、イランの石油タンカーの70%近くが航路を偽装しようとしている。
日経新聞によれば、タンカー船の多くは、制裁下にある自国に外貨をもたらすため、中国に原油を輸送している可能性が高いという。
日経新聞は、米外国資産管理局から制裁を受けたイランと関係のあるタンカー179隻を調査し、1月から7月までの動きを調べた。その結果、122隻のタンカーが通信を遮断したり、通信を改ざんしたりしていたことが判明した。
大型船には、衝突防止と船舶追跡のために自動識別システム(AIS)の装備が義務付けられている。AISは、近隣の船舶、衛星、陸上のステーションと通信し、位置情報、行き先情報、積荷情報を提供する。
場合によっては、船舶の位置を隠すためにこれらの通信を無効にすることもある。報告書によると、AISは海賊のような脅威から身を守るために一時的にオフにされることがあるが、長期にわたってオフにされ続けることは、不正な活動を示すものである。
AIS無効化の明確な例は、6月24日に見られた。イランの石油輸出の約90%が通過する港であるアラビア湾のハルグ島では、AIS通信によってタンカーが1隻も確認されなかったが、衛星画像では2隻のタンカーが停泊していた。
2隻のうち1隻は3月に中国の山東省から出港していた。6月、そのAISは、ハルグ島から約250キロ離れたアラビア湾で切断された。数日後に再び送信を開始し、7月中旬にマレーシア付近に到着した。
航路を偽装しようとした122隻のタンカーのうち、107隻が一度に24時間以上AISをオフにし、そのほとんどがアラビア湾付近であった。76隻のタンカーが信号を偽装した疑いがあり、イランの陸地を示したり、わずか4時間で500km以上移動したように見せかけたりしたタンカーもあった。
米国の非営利団体「反核イラン連合」によれば、イランの原油輸出は2019年から2024年にかけて約70%増加し、その約90%が中国向けだという。しかし、国連のデータによれば、2018年の対イラン制裁以降、中国のイラン産原油の輸入量は激減し、2023年以降はゼロになった。しかし、代わりにマレーシア産原油の輸入量は増加している。
「イラン産原油は、AIS信号の遮断や位置偽装などの手口を使って、マレーシア産原油として中国に輸送されている」と、金属・エネルギー安全保障機構の豊田耕平氏のコメントを引用した。