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温暖化する海、120ドルのウニ丼で日本の価格ショックを悪化させる

2025年8月22日、東京・築地場外市場の仲卸業者のショーケースに値札とともに陳列された、利尻島産を含む北海道各地のウニ。(ロイター)
2025年8月22日、東京・築地場外市場の仲卸業者のショーケースに値札とともに陳列された、利尻島産を含む北海道各地のウニ。(ロイター)
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26 Aug 2025 01:08:21 GMT9
26 Aug 2025 01:08:21 GMT9

利尻(日本):日本が史上最も暑い夏を迎える中、北の大地ではウニの漁獲量が激減し、すでに食費の高騰に喘いでいる多くの消費者にとって、このトゲトゲの珍味はさらに手の届かないものとなっている。

北海道の利尻島では、濃厚な甘みで有名なバフンウニ100グラムの丼が、過去最高の15,000~18,000円(100~120ドル)で提供されている。

利尻の鴛泊フェリー乗り場の向かいにある佐藤食堂の店主、佐藤公子さんは、家族で50年以上経営している。

「何人かのお客さんでウニ丼ひとつをシェアして、みんな自分のラーメンを注文するんです」

ウニは伝統的に高級品とされてきたが、その法外な値段のために、日本では多くの家庭が特別な日に食べることさえできない。

食品価格の高騰は、日本の平均的な家庭の食費が過去43年間で最も高い30%近くに達していることを意味する。

政策立案者たちは、食料価格の高騰を円安による輸入コスト上昇圧力のせいにしてきたが、地球温暖化の影響もリスクとして迫ってきている。

利尻漁協の山上達明専務理事によれば、利尻ではウニの漁獲量が昨年から半減しており、数年来の傾向が続いているという。

「漁獲量が少ないため、価格が高騰しています」と、この道40年のベテランである山上氏は言う。「海水温の上昇が原因だと思いますが……心配な状況です」

山上氏によると、冷たい海で育つ利尻産のバフンウニの最高値は10キロ9万円で、2年前の約4万円の2倍以上に跳ね上がったという。

水温の上昇

水産研究・教育機構の筧重保主任研究員によれば、ここ数年、日本各地の水温は約5℃上昇しているという。

東京の北に位置する東北地方は、もはやサケの主要産地ではなく、暖流の北上によって状況はさらに悪化している。

筧氏によれば、サケ、イカ、サンマといった人気のある冷水魚種の漁獲量は過去20年間で激減し、その一方でキログラムあたりの価格は5倍近くに跳ね上がったという。

魚介類が食品バスケットに占める割合は10%未満と比較的小さく、主要インフレ率への寄与は0.1%ポイント程度である。

ムーディーズ・アナリティクスの日本・フロンティア市場エコノミクス担当責任者、ステファン・アングリック氏は、「気候変動の経済的影響はもはや机上の空論ではないことを示している」という。

「異常気象や世界の平均気温の上昇は、インフレ率が過去よりも構造的に高くなると予想される理由のひとつです」と同氏は述べた。先週発表された政府統計によると、日本の7月の食料品価格は前年同月比7.6%上昇し、6月の7.2%から加速した。温暖化によって打撃を受けている米は、依然として食品インフレの最大の原因となっている。

日本銀行(BOJ)は通常、生鮮食品は変動が激しいため測定から除外しているが、6月の1.6%から先月は3.3%上昇した。魚介類のインフレ率は3.9%から2.5%へと、最近やや緩やかになっている。

調査会社の帝国データバンクは月曜日のメモで、東京の熱波が家計の魚介類への支出に打撃を与え、気温の上昇で漁獲量が減少したことによる値上げが痛手となったと述べた。

「築地に食べ歩きに来ましたが、ウニ丼や海鮮丼は私たちには高すぎます」と、東京で人気の築地魚河岸を訪れた35歳の観光客、浅見桃子さんは語った。「だから、もんじゃコロッケや玉子焼きのような屋台の食べ物にこだわっています」

日本と他国の金利差が依然として大きいことによる円安が食品インフレの主な要因である一方、気候変動も中央銀行の監視対象になっている。

日銀の田村直樹審議委員は6月、2022年初頭から魚介類を含む生鮮食品価格の上昇率が物価全体を大きく上回っていると指摘した。

労働力不足や光熱費などの上昇がカギを握る一方、田村氏は「気候変動による天候不順」の影響も指摘し、生鮮食品などの価格が家計に悪影響を与えていると付け加えた。

ユーラシア・グループのコンサルタント会社でディレクターを務めるデービッド・ボリング氏は、「日本のインフレ率は他国に比べればまだ緩やかだが、主に給与が追いついていないため、人々の懐を痛めるには十分だ」と述べた。「特に定収入のある高齢者にとっては厳しい状況だ」

日本は、2030年度までに食料自給率を生産額ベースで現在の約60%から69%に引き上げることを目標としているが、筧氏は、この目標は気候変動の圧力によって複雑になる可能性があると言う。

「再生可能エネルギーによる排出削減を)一生懸命やっても、2100年までに気温は1~1.5度くらいは上がるでしょう」と筧氏は語り、産卵魚や新子魚の漁獲量や漁獲時期を規制すべきだと指摘した。

「イワシはここ7~8年増加傾向にある」

ロイター

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