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サウジアラビアが石油市場でトップに立つ、とJPモルガンが予測

2018年5月21日、サウジアラビアにあるサウジ・アラムコのラスタヌラ製油所と石油ターミナル(ロイター)
2018年5月21日、サウジアラビアにあるサウジ・アラムコのラスタヌラ製油所と石油ターミナル(ロイター)
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13 Jun 2020 08:06:49 GMT9
13 Jun 2020 08:06:49 GMT9

フランク・ケイン

ドバイ:石油市場におけるサウジアラビアの戦略は、アメリカの投資銀行JPモルガンから信任票を獲得した。JPモルガンは、サウジアラビアが世界のエネルギービジネスで「トップに立つ」と予測している。

「非OPEC産油国と米国の生産が減り、サウジアラビアがシェア争いのトップに立つ」とJPモルガンのアナリスト、クリスチャン・マレク氏は石油産業に関するレポートの中で書いた。この中で、米国のシェール産業の弱体化と石油輸出国機構(OPEC)域外からの生産減少により、サウジアラビアの国際石油市場におけるシェアは大幅に増加する、との見通しを示した。

サウジアラビアは、世界の石油市場を安定させるための世界的な取り組みを主導してきたが、新型コロナウイルスの世界的流行により、前例がないほど需要が減少した結果、2025年までに現在の11.6%から約15%(1980年以来の最高水準)まで市場シェアを拡大するだろう、とJPモルガンは報告した。

米国のシェールガス田からの石油生産は、2019年に米国を世界最大の産油国の地位に押し上げたが、今年は日量1100万バレルと、上昇は小幅にとどまると予想される。3月と4月に石油価格が急落する前には、米国のシェールオイルは着実に上昇し、次の10年間で日量1700万バレルに達すると予想されていた。

石油価格は、今年になって現在までに約40%下落しているが、サウジアラビアとロシアがOPECプラス同盟を通じて4月に過去最大の減産をまとめた後、4月の過去最安値からは回復している。つい先週末、その協定は延長され、産油国が確実に新体制に従うようにするための厳しい新ガイドラインが導入された。

サウジアラビアのエネルギー相であるアブドルアジズ・ビン・サルマン王子は「団結した集団的な枠組みの中で、前向きの政策にコミットすることで、我々は、世界の石油市場に対する自信を回復しつつある。将来について楽観的でいるのには根拠がある」と述べた。

JPモルガンの予測では、今年後半には需要が急増し、2020年の平均は日量9100万バレルになる。これは、パンデミックが世界経済に初めて打撃を与える前に世界で消費されていた日量1億バレルを下回っている。その水準は来年11月になれば回復するだろう、と JPモルガンは予測している。

JPモルガンによると、原油価格が現在、比較的低い水準にあることから、石油への設備投資が削減され、それが2022年からの「スーパーサイクル」を作り出し、供給減少と原油価格の急騰につながる可能性があるという。

JPモルガンは収益において世界最大の銀行であり、長年のサウジアラビアのパートナーで、1930年代に石油産業の最初の投資対象に資金援助を行った。

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