
フランク・ケイン
ドバイ:サウジアラビアはG20の議長国としての立場から、COVID-19パンデミックによってもたらされた不況から脱却し世界経済を活性化することを狙う6カ条の事業計画を発表した。
G20内の経済界グループであるB20の会長、ユセフ・アル=ベニヤンはリヤドでのウェビナーで、世界経済への5兆ドルの注入等のパンデミックへの対応は「心強い」と語った。
しかしアル=ベニヤンは、世界の主要各国は世界的なロックダウンの影響を軽減し、病気の「第二の波」の可能性に対処できるよう、引き続き協力し合わなければならないと警告した。
「国境を越えるこの多次元伝染病を効果的かつタイムリーに解決するためには、政府・国際統制機関・企業の間での協力と協業が不可欠である」と、アル=ベニヤンは述べた。
「B20では、多次元的かつ体系的な危機を乗り越えるうえで世界的な協力・協業・コンセンサスに代わるものはないと強く信じている」と氏は付け加えた。
世界的ビジネスリーダー750人からの意見を得てまとめられたG20各国への特別報告書に含まれる6カ条計画では、この一世紀で最も深刻な経済不況を引き起こす恐れのある伝染病による影響に対抗するための一連の政策提言を定めている。
この文書は、健康のためのレジリエンスの構築、人的資本の保護、金融の不安定化防止のための政策を提唱している。
また、世界のサプライチェーンを開放し、生産的な経済セクターを再生させ、世界経済を「責任を持って包摂的に」デジタル化するための措置を推進している。
アル=ベニヤンは報告書の発表の際のメディアへの質疑応答セッションで、ビジネスリーダーにとっての最優先事項には世界中で50万人以上が死亡したウイルスへのワクチンの開発や、経済ロックダウンにより閉ざされた世界貿易ルートを再開する必要性などが含まれると述べた。
アル=ベニヤンは、G20の今回の対応は特に2009年の世界的金融危機と比較すると迅速かつ積極的であったと述べたが、再び患者が急増する可能性に対応するためにはより多くのことを行う必要があると述べた。「今はまだ祝うべき時ではない」と氏は警告した。
「各国政府は社会に奉仕するために国際機関・機構を積極的に活用すべきであり、パンデミックの間と後に必要とされるあらゆる場所で強化されなければならない」と述べ、パンデミックの最中に世界の指導者の一部から攻撃を受けた世界保健機関、国連、国際通貨基金の役割を強調した。
アル=ベニヤンは、パンデミックに対する政策対応は「各国の要件に従って設計されたもの」であると述べた。
これとは別に、サウジアラビア金融管理局総裁は、サウジ経済がパンデミック不況からの急激な「V字回復」を見せるかどうかを語るには「時期尚早」であると述べた。