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世界の専門家がTRENDSのE-シンポジウムで、持続可能な開発における宇宙の役割を議論

トレンドリサーチ&アドバイザリーが主催した、持続可能な開発における宇宙部門の役割、(TRENDS)
トレンドリサーチ&アドバイザリーが主催した、持続可能な開発における宇宙部門の役割、(TRENDS)
トレンドリサーチ&アドバイザリーが主催した、持続可能な開発における宇宙部門の役割、(TRENDS)
トレンドリサーチ&アドバイザリーが主催した、持続可能な開発における宇宙部門の役割、(TRENDS)
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09 Jul 2020 12:07:32 GMT9
09 Jul 2020 12:07:32 GMT9

アラブニュースジャパン

7月8日、トレンドリサーチ&アドバイザリーが主催した、「持続可能な開発における宇宙部門の役割」に関するE-シンポジウムでは、「科学技術の進歩における宇宙部門の役割」、科学技術の進歩と国際協力の課題と機会、宇宙開発の今後が主要議題となった。

このシンポジウムは、世界のさまざまな地域の宇宙部門が、いかにして持続可能な開発目標達成に貢献するのか、そして、宇宙で使用されているこうした革新的技術が、持続可能性を向上させるために、どうのように利用可能なのか、ということを浮き彫りにした。

このイベントには、世界中から著名な専門家、宇宙科学者・研究者が多数参加した。名前を挙げれば、Space Cubicsの共同設立者で、宇宙航空研究開発機構の準上級エンジニアの後藤雅享氏、エアバス・ディフェンス・アンド・スペースの製品管理者、ビアンカ・セファロ氏、UAE 宇宙機関の宇宙政策スペシャリスト、ファティマ・アルシャムシ氏、モハメド・ビン・ラシッド宇宙センター宇宙工学部のシニアディレクター、アメール・アルガフリ工学博士、セキュア・ワールド・ファンデーションのエグゼクティブディレクター、ピーター・マルティネス氏、欧州宇宙機関(ESA)上級科学者兼顧問のバーナード・フォーイング氏などだ。

基調講演者の1人は、国連宇宙局(UNOOSA)のシモネッタ・ディピッポ局長であり、UNOOSAの宇宙応用部門のチーフ、リュック・サンピエール氏が代理を務めた。

このイベントは、SpaceconneX の創設者兼ディレクターのティ・ヒエン・グエン氏が、サンピエール氏と共に司会を務め、いかにして宇宙部門が持続可能な開発目標達成に貢献できるのか、という概要を説明した。

Space Cubicsの共同設立者で、宇宙航空研究開発機構の準上級エンジニアの後藤雅享氏は、宇宙開発が「異常な環境」の中での開発であるため、必要不可欠な技術が要求されること、そして、こうした技術が地上のさまざまな分野でとても有益であることを、プレゼンテーションした。

人類は宇宙で暮らすことができないので、地球から遠隔操作されたロボットや無人衛生を利用しなければならない、と後藤氏は語った。例えば、新型コロナウイルス禍の中、ロボットや遠隔技術が役立つようになっている。居住可能環境を調整することを意味する宇宙用生命維持装置は、水を再利用可能にしたり、空気を発生させたりする機器の組み合わせを1部含んでおり、こうした装置は資源の乏しい避難所や国々で利用可能となる、と後藤氏は説明した。

また後藤氏は、微小重力環境が薬品の開発や新種のアロエ作りに役立つことにも言及した。

「微小重力環境は、新薬開発を目的としたタンパク質の結晶構造解析にも利用されています。この結晶構造は解明され、そのデータは薬剤開発にフィードバックされます。微小重力環境下なら、混ざり合いにくい物質同士も混ざり合いやすくなるので、新しい合金もつくることが可能なのです」と、後藤氏は語った。

モハメド・ビン・ラシッド宇宙センター宇宙工学部のシニアディレクター、アメール・アルガフリ工学博士は、宇宙産業におけるUAEの進歩を中心にプレゼンテーションした。

「モハメド・ビン・ラシッド宇宙センターと、その他にもUAEで展開されたさまざまな事業の役割は、全般的な宇宙開発を促進することでした。これはさまざまなプログラムを通じて実施されました」と、アルガフリ工学博士は語った。

それからアルガフリ工学博士は、宇宙産業推進のために、UAEで立ち上げられた複数の事業名を挙げた。

プログラムの1つは、UAEでの人工衛星の開発であり、2つ目は火星探査機(Hope Probe)で、3つ目は宇宙飛行士プログラムであり、昨年国際宇宙ステーション(ISS)にUAEの宇宙飛行士を、そしてアラブ人を初めて送った。そして4つ目は、火星211であり、今から100年先、火星で最初の都市をつくるために、研究開発の共同作業を初めて実施することを目的とする取り組みだ、とアルガフリ工学博士は説明した。

「これは、UAE国民が宇宙飛行士になったり、科学者になって宇宙で人間の生命を研究したりする持続可能なプログラムとなるでしょう」と、アルガフリ工学博士は語った。

「Hope probe」と呼ばれるアラブ首長国連邦火星探査ミッションをさらに詳しく述べ、同工学博士は、宇宙産業におけるUAEの進歩こそ、同国が知識基盤経済の構築を標榜していることの表れであると説明した。知識基盤経済の構築を標榜するからこそ、同国はこの分野に参入し、次には科学や技術の進歩に貢献するエンジニアや科学者の養成に、はっきりと集中することができるという。

「私たちが火星探査ミッション、『Hope probe』でしようとしていることは、UAEとこの地域で、非常に経済力の強い研究開発社会に1歩踏み出すことなのです」

7月15日に開始されることになっている『希望火星探査ミッション(Hope Mars Mission)』は、種子島宇宙センターから日本のH-IIAロケットを使って発射され、2月に火星に到着予定であり、UAE建国50周年と時を同じくする。

「だから、建国以来わずか50周年の国が、揺るがぬ熱意と弛まぬ努力により、火星に到着し、人類科学発展の第1歩を踏み出すのです」と、アルガフリ工学博士は語った。

「この探査機は、私たちの地域のここで、より良い未来を望んでいる数百万人のアラブの若者たちの希望を表している、ということからこの探査機の名前が浮かびました。この地域で起きている紛争や不幸な出来事を、私たちは全て耳にしますが、UAEでは宇宙プログラムを通じて、とりわけ希望探査機を通じて、未来があり、達成できることがあり、生きていることを証明したいのです」と、アルガフリ工学博士は付け加えた。

「持続可能性における宇宙の役割」と題したE-シンポジウムは、世界中からのプレゼンテーションを次々と紹介し、宇宙分野での革新技術は、地球規模の問題を解決し、持続可能な開発目標の達成の新たな可能性を高めることができると説明した。

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