
北京:HSBCは7月25日、自社がファーウェイ・テクノロジーズを「陥れ」、世界最大の通信機器メーカーの最高財務責任者(CFO)の逮捕に一役買ったとの中国メディアの報道を否定した。
ロンドンに本拠を置く銀行・金融グループであるHSBCは、中国のメッセージング・サービス「WeChat」の自社アカウントに投稿した声明の中で、ファーウェイを調査するという米司法省の決定には関与しなかった、と書いた。
そのHSBCの声明が出された日の前日、中国の人民日報は、HSBCを非難する報道をした 。HSBCは米国の共謀者であり、ファーウェイに関して虚偽報告をし、孟晩舟最高財務責任者(CFO)の逮捕につながった、と書かれていた。
孟被告は2018年12月、バンクーバー国際空港で、米国当局からの逮捕状で逮捕された。
同被告は、イランで操業している会社とファーウェイとの関係に関してHSBCを欺いた銀行詐欺の容疑で米国から告発されている。HSBCを、米国の対イラン経済制裁違反で罰金と刑罰の危険にさらしたとされている。
「ファーウェイ事件の経緯により、米国によるファーウェイへの捜査がHSBCによって引き起こされたものではないことが明確に示されている」と同社はWeChatへの投稿で書いたが、人民日報の記事には直接言及しなかった。
「HSBCはファーウェイに敵意はなく、ファーウェイを『陥れて』もいない」と同社は書いた。
「米司法省からの情報要求に応え、HSBCは事実情報を提供しただけである。HSBCは、自社の利益のために証拠を「捏造」したり、事実を「隠蔽」したことはなく、事実を歪曲したり、顧客に損失を与えたりもしない」
7月24日付の人民日報の報道では、イランにおけるファーウェイの事業をHSBCは熟知しており、2012年からファーウェイに「わなを仕掛けていた」と主張していた。
中国グローバル・テレビジョン・ネットワークなどの他の中国メディアも、HSBCに対して同様の主張をしている。
孟被告は米国への引き渡し要請と闘っており、無実だと述べている。同被告は拘束されて以来、バンクーバーで自宅軟禁されている。
–ロイター通信