
ニューヨーク:アントニオ・グテーレス国連事務総長は火曜日、ガザにおける国際法違反を指摘し、イスラエルがハマスの攻撃に応じてパレスチナ自治区を攻撃しているとして、即時停戦を促した。
イスラエルは安全保障理事会のハイレベル会合を前に国連総長の訴えに怒りをあらわにし、パレスチナの外相もまた、両陣営で数千人、そのほとんどが民間人であるこの紛争に対する不作為を非難した。
会合の冒頭、グテーレス外相は、10月7日のハマス過激派による「ぞっとするような」暴力には弁解の余地がないと述べるとともに、パレスチナ人に対する「集団的懲罰」に警告を発した。
「私は、ガザで目撃されている国際人道法の明白な違反を深く憂慮している。武力紛争のいかなる当事者も、国際人道法の上に立つことはできない」
グテーレス氏は、パレスチナ人は「56年間も息苦しい占領を受けてきた」と述べ、安保理でこう語った: 「ハマスによる攻撃は空白の中で起こったのではないことを認識することも重要だ」
彼の発言に激怒したイスラエルのイーライ・コーエンは、グテーレス氏を指さし、声を荒げて、10月7日にイスラエル史上最悪の単独攻撃で殺害された市民の生々しい証言を語った。
「事務総長、あなたはどの世界に住んでいるのですか?」とコーエン氏は詰め寄った。
イスラエルが2005年にガザから撤退したことを指摘し、コーエン氏は言った。「ガザの土地に関して争いはありません」
イスラエルはその直後、ハマスが政権を握って以来、この貧しい地域を封鎖した。
イスラエルのギラード・エルダン国連大使は、グテーレス国連総長の辞任を求め、以前はツイッターとして知られていたXに、国連総長は “テロと殺人に理解を示した “と書き込んだ。
ハマスの過激派は10月7日にイスラエルに突入し、家族連れや音楽祭に出かけていた人々など、主に民間人を標的に攻撃を仕掛け、イスラエル当局によれば、少なくとも1400人が死亡、220人以上が人質に取られた。
ハマスが運営する保健省によれば、ガザ地区全域でイスラエルの報復砲撃により5,700人以上のパレスチナ人が死亡したという。
グテーレス事務総長は、エジプトとガザを結ぶラファ検問所に自ら赴き、援助を受け入れるよう働きかけ、これまでに3つの援助隊がラファを通過したことを歓迎した。
「しかし、それは困窮の海の中の一滴の援助である」とグテーレス氏は述べ、国連の燃料供給は数日以内に底をつくだろうと警告した。
「壮絶な苦しみを和らげ、援助をより簡単かつ安全に届け、人質の解放を促進するために、私は人道的停戦の即時実施を改めて訴える」と述べた。
安保理には、アントニー・ブリンケン国務長官を含むトップ外交官が集まる。アントニー・ブリンケン国務長官は、停戦はハマスの再編成を許すだけだとして、これまで停戦要請を拒否してきた。
米国は先週、イスラエルの自衛権を十分に支持していないとして、この危機に関する決議案に拒否権を発動した。
ブリンケン氏は安保理で、米国は 「実質的な意見を取り入れた 新たな決議案を提出している」と述べた。
彼は、イスラエル人殺害に対する怒りがなぜもっとないのか、と疑問を呈した。
「われわれは、いかなる国も自国を防衛し、このような被害が繰り返されないようにする権利を認識しなければならない。この理事会全体のどの国も、自国民の虐殺を容認することはできないし、容認することもないでしょう」とブリンケン氏は述べた。
ハマスのライバルであるパレスチナ自治政府のリヤード・アル・マーリキー外相は、安保理の不作為を非難した。
「不法な占領下にあるパレスチナの民間人に対して、占領国であるイスラエルが意図的、組織的、残忍に続けている虐殺を止めなければならない」
「それを阻止することは、私たち人間の集団的な義務である。この理事会で失敗が続くのは許しがたいことだ」
時事通信