日本の6月の家計支出は落ち込みのペースが前月よりも大幅に鈍化した。コロナウィルスパンデミックを封じ込めるためのロックダウン措置から経済が再開したためで、今年後半の緩やかな景気回復にいくらかの希望を与えた。
しかし、景気の回復は主に政府の家計に対する包括的な現金支給によって後押しされたもので、それらの現金はテレビやパソコン、ソファなどの高額商品に支出された。
そのことが、回復の持続性にいくつかの疑問を投げ掛ける。特に、全国に広がるCOVID-19の感染例増加により、政府は国民に対し不必要な旅行を控え、できる限り自宅から仕事をするように要請することを余儀なくされてきた。
「消費の回復は予想よりも力強かった。経済は当初考えたよりも急速に上向くかもしれない」と、第一生命経済研究所でチーフエコノミストを務める新家義貴は述べた。
「しかし感染者数の新たな増加が懸念されている。楽観的な見通しを出すには早すぎる」
政府が金曜に示したデータによれば、6月の家計支出は前年同期比で1.2%減少した。これは、市場予測の中央値である7.5%の減少よりも少なかった。
前月の5月は16.2%の減少を記録していた。この時期、消費者はまだ当局の要請に応じてパンデミックを抑えるため外出を控えていた。それらの緊急措置は5月下旬に解除されている。
6月の家計支出は前月比で13.0%上昇し、過去最大の増加率となった。これは、政府の現金支給が定期的な給料の大幅な減少を相殺したためだ。
この現金支給が助けとなって6月のエアコンへの支出を約30%押し上げた。テレビへは83%、テーブルとソファへは支出が2倍に増加したことを、データは示した。
しかし6月のインフレ調整済み実質賃金は4ヶ月連続で下落し、パンデミックから受ける影響の長期化に備える経済の見通しに暗い影を落としている。
パンデミックからの影響は日本を深い景気後退へと追いやり、昨年の増税と海外需要の鈍化からすでに消費と輸出にダメージを負って揺らぐ経済に打撃を与えている。
ロイター