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サウジアラビアは、変わりゆく石油需要により”豊かな”収益を得ることができる:エネルギー専門家

サウジアラビアは、再生可能エネルギーを水素に変える50億ドルのプロジェクトを発表したばかりだ。(ファイル/shutterstock)
サウジアラビアは、再生可能エネルギーを水素に変える50億ドルのプロジェクトを発表したばかりだ。(ファイル/shutterstock)
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09 Oct 2020 01:10:46 GMT9
09 Oct 2020 01:10:46 GMT9

サウジアラビアは何十年間も石油収益という「紛れもない宴」にあずかることができるだろうとエネルギー専門家は述べる

 ・より強固な気候政策は、燃料を燃やして排出される温室ガスだけではなく、全体的な生産サイクルに関連する炭素強度にも重点を置くべきだと、専門家は述べる

フランク・ケーン

ドバイ:世界屈指のエネルギー専門家の1人は、サウジアラビアのような石油生産国は、エネルギー利用のパターンの変化によって世界の原油需要が減少する前に、何十年も”饗宴と言っていいほどの”石油収益にあずかることができるだろうと考えている。

コロンビア大学のグローバル・エネルギー政策センターの責任者で、元ホワイトハウスのエネルギー政策顧問、ジェイソン・ボルドフ氏は次のように述べた。「石油を最も長期的に売り続けることができるのは、クウェート、サウジアラビア、アラブ首長国連邦など、最小のコストで生産をしている国々です」

「その上、もっと強固な気候政策を採るなら、燃料を燃やして排出される温室効果ガスだけでなく、全体的な生産サイクルに関連する炭素強度にも重点を置くべきです。ペルシャ湾岸のアラブ諸国のほとんどは、とても効率的な生産国です」と彼は言い添えた。

雑誌「外交政策」に執筆しているボルドフ氏は、サウジアラビアのような低コスト生産国は、世界のエネルギー市場での優位性を強固にできると予測している。「容易な採掘、より少ないメタン漏れ、より低いフレアリング率により、石油に関連する最も低いライフサイクル温室効果ガス排出量をある程度達成しています。そのため、石油需要が減少しても、OPEC(石油輸出国機構)の世界の生産高に占める割合は、加盟国のより低いコスト、炭素排出により高まり、しばらくはかなりの大きさを維持しそうな市場をOPECがより強固に統制できるでしょう」と、彼は述べた。

彼の見解は、いくつかの民営の石油会社が気候への懸念のため、原油生産から退いている中で出され、中東のエネルギー政策立案者を批判する人々が、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)のパンデミックにより石油の世界需要が減少しているため、地域の石油輸出国にとって経済的、財政的な問題が起こると予測していることに対する反駁である。

「ポスト・オイル(石油依存がピークに達した後の)世界での崩壊や混乱についてのいろいろな話は、学識者の想像を引き継いできました。しかし、パリ協定の気候目標を達成するために必要な年十年もの間は、石油依存国は飢饉になる前にまぎれもない饗宴にあずかることができるでしょう」とボルドフ氏は述べた。

また、石油輸出国は豊かなエネルギー収益を利用して、よりクリーンなエネルギー技術への転換を促すこともできる、と彼は提案した。

「例えば、サウジアラビアは豊富な、低コストの太陽光発電を所有し、再生可能エネルギーを水素に変える、50億ドルのプロジェクトを発表したばかりであり、また、日本へ世界初のブルー・アンモニアの輸送をしました」と、彼は述べた。

サウジアラビアは、大気中への二酸化炭素の排出をなくして有害な温室効果ガスを緩和する方法として、”循環型炭素経済”という戦略を打ち出した。

ボルドフ氏の寄稿は、気候変動やその政界的影響について議論が高まるなかでなされている。「国の安全を担う指導者たちは、クリーン・エネルギーの新たな地政学的要素を予期し、その準備しなければなりません。新たな危険を緩和するためだけでなく、強固な気候計画は、そうしなければ成功しないからです」と彼は述べた。

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