• 南西部のシャララ油田で不可抗力条項が解除された
• リビア内戦において、リビアが誇る軽質原油は長きにわたり注目の的となってきた

カイロ：リビア国営石油会社は日曜日、同国最大の油田での生産を再開したと発表した。国連の仲介で来月行われる予定の対話に向けた予備交渉の一環として、対立状態にある同国東部と西部の関係者が和平交渉を開始したことを受けての再開となった。

国営石油公社は、南西部のシャララ油田に対し発動されていた不可抗力を解除したと述べた。これに先立ち、石油公社は、ハリファ・ハフタル司令官に忠実な軍との「名誉合意」に達し、同軍は油田における「妨害をすべて」終結させると約束した。

1年にわたる首都トリポリ占領作戦の背後にいたハフタル将軍だが、この国営石油公社の発表の3週間前には、同国にとって重要なシャララ油田の封鎖を解除したと発表していた。

この9月18日の前進は、ハフタル司令官に忠実な軍と対立していたトリポリ政府のアハマド・マイティーグ副首相が主導し、同国のオイルダラーをより公平に分配するための新たな仕組みを模索した、いわゆる「リビア人同士の対話」が実を結んだものだといえる。

東部で勢力を誇りハフタル将軍に忠実な部族は、石油収入の分配が不公平だとして、まず1月に抗議の目的でシャララ油田を含む石油施設の支配権を掌握したが、それ以前のリビアの石油生産量は、1日に最低でも120万バレルに達していた。

石油封鎖によって、石油公社は総額約100億ドルの収入を失い、全国的な燃料不足も引き起こされることになった。

アフリカ最大量の石油埋蔵の支配権を巡って民兵と外国勢力が対立し争い合うリビア内戦において、リビアが誇る軽質原油は長きにわたり注目の的となってきた。

リビアは、2011年、NATOが支援する民衆蜂起によって長年独裁を続けてきたムアンマル・カダフィ大佐の政権が崩壊し、カダフィ大佐が殺害されて以来、混乱状態に陥った。国家は首都トリポリと東部の都市ベンガジにそれぞれ拠点を置き対立する2つの政権に分裂し、それぞれが武装グループとライバルの外国政府に支持されるという状態が続いてきた。

そんななか、ベンガジを拠点とする代議院とトリポリを拠点とする国家最高評議会の各代表者が日曜日、エジプトの首都カイロで、3日間にわたる協議を国連の仲介で開始した。国連リビア支援ミッションが伝えた。

同ミッションによると、代表団は「法的・憲法上の選択肢」について協議する予定で、その結果は「リビア政治対話フォーラムに提出されるかもしれない」という。

エジプト国営中東通信（MENA）によると、日曜日の協議はエジプトのアッバス・カメル総合情報局長により開始され、開始にあたりカメル局長は、隣国リビアが平和を確立し、「権限や責任を定義する憲法、そして大統領選挙と議会選挙をもたらす憲法」に合意する時がやって来た、と述べたという。エジプトはリビアの不安定な状態を国家安全保障上の脅威と見ており、トルコが支持するトリポリ政府に対する対抗馬としてハフタル将軍を支持してきた。

国連ミッションによれば、来るべき政治フォーラムにおける最初の対面会議は、11 月にチュニジアで開催される予定だという。そしてそれに先立つ10 月 26 日からは、事前会議がテレビ会議形式で行われる。

フォーラムの目的は「最短の時間枠で国政選挙が行われるよう、統一政府の枠組みや様々な取り決めについてコンセンサスを生み出すこと」にある、と国連ミッションは述べた。

チュニジア会談に先立つ10月19日には、対立勢力がジュネーブで対面による軍事交渉を開始する予定である。

対立勢力は9月下旬に安全保障協議を開いており、その結果、囚人の交換、および分断された領土全体にわたる空路や陸路の開放、という予備的な合意に達した。

ハフタル将軍率いる軍は2019年4月にトリポリを奪還しようと攻勢を開始したが、トルコの支援を受けたトリポリ連合軍の民兵が優勢になり、市の郊外や他の西部の町からハフタル将軍の軍を掃討したことにより、ハフタル将軍の作戦は2か月も経たない間に崩壊した。

国際社会の圧力が双方に及ぶなか、戦闘はここ数か月で沈静化し、戦略的に重要な都市シルテに対しては双方ともに攻撃を控えている。