
東京:日本銀行は29日木曜日に、現行の金融政策を維持すること、および新型コロナウイルス危機の深刻化する経済的影響への対処に大きな役割を果たしてきた一連の対応措置の期限を延長する用意があることを発表する見込みだ。
情報筋がロイター通信に語ったところによると、日銀は成長率・物価見通しを小幅に下方修正するものと見られるが、日本経済は緩やかな回復に向かっているとの見方から、日銀政策委員会の多くのメンバーは刺激策を直ちに拡大する必要はないと見ているとのことである。
日銀は、28・29日の2日間に行われる金利レビューにおいて、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の目標を短期金利は -0.1%、長期金利は0%に維持すると予測されている。
JPモルガン証券のチーフエコノミストである鵜飼博史氏は、「日銀は、新型コロナウイルス危機による資金調達の負担を緩和することに引き続き焦点を当てているため、経済と物価の伸びを直接的に支える方法を深く議論するのは時期尚早だと感じているのではないか」と語る。
長短金利操作が日銀の主要な政策枠組みであり続ける一方、何年にもわたる超低金利で銀行の利幅が抑えられてきていることから、利回り目標の引き下げは選択肢として可能性が低くなっている。
そのため、中央銀行が3月から5月に導入した一連の措置の重要性が高まることとなった。これには、社債の積極的な購入や、金融機関を経由して中小企業に資金を供給するための新たな貸付策が含まれている。
日銀当局者たちは、これらの措置が新型コロナウイルス危機の持続的な圧力に対抗する最初の防衛線として機能するだろうと語っており、利下げなどの他の対策は、望ましくない円高等より極端なショックへの対応策として温存することを示唆している。
「当面は、現行の一連の対策によって日銀はリスクに対応することができる」と、日銀の考えに精通している情報筋も、他の情報筋と同様の見解を示している。
日銀の黒田東彦総裁は、金融政策決定会合後の記者会見で、必要に応じて、一連の対策の期限を2021年3月から更に延長する用意があることを改めて表明する見込みだ。
「期限を延長することはほぼ確実です」と別の情報筋は語る。 「問題は、延長されるかどうかではなく、延長の決定がいつかということです。」
金融機関に措置の延長に備えるための十分な時間を与えた上で、延長の決定は来年1月までに行われる可能性が高いと情報筋は見ている。
日本経済は第2四半期に戦後最大の不振に見舞われており、新型コロナ流行の影響の程度についての不確実性が消費と設備投資に影響を与える中で、回復の速度は遅くなるだろうとアナリスト達は予想している。
黒田総裁は、経済を支えるために躊躇なく行動していくと確約しているが、金利がすでにゼロに近いことから、日銀の取れる策にも限りがある。
29日に公表予定の年4回発表)で、日銀は、少なくとも2023年初頭までは、インフレが2%の目標を下回ったままになると予測する可能性が高いと情報筋は語っている。
ロイター