
マゼン・アル・スダイリ
リヤド:サウジ政府の2020年の財政赤字は2,980億サウジ・リヤル(795億ドル)で、来年には1,410億サウジ・リヤルまで減少すると予想されている。政府は2021年に8,490億サウジ・リヤルの収入を見込んでいるが、これはブレント原油価格が1バレル当たり48ドルであることを考えると妥当である、とリヤドに本拠地を置く金融サービス会社アル・ラジ・キャピタルの調査責任者、マゼン・アル・スダイリ氏は語った。
同氏はまた、政府の石油収入は、アラムコの政府への配当金次第(配当金総額で450億から750億サウジ・リヤル)で、来年は4,000億から5,000億サウジ・リヤルになると予想されると付け加えた。また、石油以外の収入は、VATの増加(880億サウジ・リヤル)、改革、民間部門の高成長、公共投資基金(PIF)/サウジアラビア中央銀行(SAMA)の投資収益を基に、約4,000億サウジ・リヤルと見込んでいる。
OPEC+加盟国の厳格な統制により、石油部門の設備投資は大幅に減少し、長期的な供給量が減少する可能性があることから、原油価格はサプライズ的に上昇する可能性がある、と同氏は結論付けた。
アル・スダイリ氏は、2021/22年の赤字の多くが負債により賄われるものの、特にコロナウイルス関連の刺激策の後に急増したことを考えると、2020年の債務残高の対GDP比、34.4%は、他の先進国や新興国・中所得国の負債レベル(63.7%)と比較して、妥当な水準にとどまっていると考えていると語った。政府は、負債総額は2020年の8,540億サウジ・リヤルから2023年までに1兆260億サウジ・リヤルに増大すると見込んでいる。
2021年の政府支出は前年比7%減と予測されているが、過去に比べて相対的にその重要性は低くなっている。なぜなら、女性の雇用増加、電子政府、観光業の開放、住宅ローンへの補助金、PIFのメガプロジェクトなどの規制改革により、必ずしも政府による莫大な直接支出を必要としないカスケード効果がもたらされる可能性があるからである。