
パナソニックが太陽電池の生産から撤退する方針を固めたことが31日、分かった。2021年度中にマレーシア工場や島根工場(島根県雲南市)での生産を終了する。中国メーカーなど海外勢との価格競争が激しくなり、採算が悪化していた。
太陽電池をめぐっては、米電気自動車大手テスラと続けてきた共同生産体制も昨年、解消している。生産からは撤退するが、家庭用や事業所向けに行っている太陽光発電システムの販売は継続する方針。島根工場では、電力管理に用いる周辺機器の生産に集中する。
パナソニックは2011年に三洋電機を完全子会社化し、太陽電池事業を本格的に手掛け始めた。しかし、近年は太陽電池の生産を含むソーラー事業全体を「構造的赤字事業」と位置づけ、収益性の改善を目指している。
同社は半導体事業を売却したほか、液晶パネルの生産終了も決めるなど、構造改革を加速させている。
JIJI Press