

アラブニュース
ドバイ:サウジアラビアのエネルギー大臣であるアブドゥルアズィーズ・ビン・サルマーン王子は、世界の石油市場に対して、OPECプラス石油同盟の次の重大な動きを根拠なしに予想しようとするという「無駄な行為」をしないよう警告した。
実際上リヤドから、他の大臣やエネルギー政策立案者に語りかける中で、彼は、世界は昨年の石油価格の劇的な乱高下から教訓を得なければならないと述べた。
「この教訓の一つは角を曲がったところに何があるのかを予測しようとすることが無駄であるということであり、私たちがなしうる最善のことは私たちの覚悟や回復力を養うということである。こうした集団的な行動は、前方にある困難に立ち向かうのにベストな方法だ」。
「そして、予測可能性について、これはOPECプラスの次の動きを予測しようとしている人々にもまた当てはまる。このような人々に対して、私は予測できないことを予測しようとするのは止めなさいと言いたい」と王子は言った。
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彼はOPECプラスのスタンスを「建設的な曖昧さ」として特徴づけた。
エネルギー・アウトルックにかんする国際エネルギー・フォーラム・シンポジウムの開会式で届けられた彼の言葉は、来月行われるOPECプラスの重要な会談を前にした石油市場における憶測を牽制する試みと見なされている。その来月の会談では、サウジアラビアとロシアが率いる同盟が、不透明な世界的需要にあたり、石油の供給を追加するのかが決定される。
彼は、世界市場の回復のペースに影響を与えるような行動を慎むよう忠告した。「私たちは昨年よりもずっと良いところにいる。しかし私は、もう一度、その自己満足に対して警告しなければならない。現状はとても不確かで、私たちはよく注意しなくてはならない」。
「試合はいまだ続いており、新型コロナウイルスに対する勝利を祝うにも、また、それを宣言するにも時期尚早である。レフリーはまだ試合終了のホイッスルを鳴らしていない」と彼は述べた。
同会において、経済大国の中でもエネルギー消費国として最も急速な発展を遂げているインドの石油大臣ダルメンドラ・プラダンは、昨年のパンデミックによる景気後退からの大幅な改善があると主張し、2021年には2桁の経済成長があると予想した。
その一方で彼は、急速な原油価格の高騰を許すことに警鐘を鳴らした。「ここ数週間の石油価格の上昇は世界経済の回復を阻んでいる」と彼は言い、また、インドでは炭化水素との比較において再生可能燃料の使用が増えているということを強調した。
「石油とガスの使用を保ち、精製能力を高めながらも、インドは再生可能エネルギーとエネルギー効率にコミットしている」とプラダンは述べた。
国際エネルギー機関理事ファティ・ビロルは、フォーラムで、石油需要は世界経済の改善とともに回復していくだろうと述べ、また、消費者選好の大幅な変容がない限り、石油需要における「ピーク」の見込みはないと彼は見ていると述べたが、排出ガスにおける「ネットゼロ」政策を求める政府は化石燃料使用を削減しようとしているのだろうという点について指摘した。
OPECの事務局長モハンメド・バルキンドは、需要は「大変不透明な状態」のままであるが、OPECは供給について注意深いが楽観的なアプローチを取る必要性で足並みをそろえていると明かした。
彼はこう付け加えた:「近い将来ピークオイルはないであろう。そしてそれは1.7兆バレルの石油可採埋蔵量が標準でなくなることを意味する」。
バルキンドは、急速に経済が回復する中で、石油の適切な供給を保証するためのさらなる投資を呼びかけた。