フランク・ケイン
ドバイ:新規株式公開(IPO) を控えたサウジアラムコの目論見書には、12月4日の初値を数日後のタダウルでの取引を待たずして予想できる手掛かりがある。
強調しておきたい点として、私はこの件の内部情報を得る立場にない。1980年代以来、株式市場での取引やIPOを観察してきた者に過ぎない。当時はIPOという名称すらなく、「フロート」や「上場」と呼ばれていた。私のロジックは以下のとおりである。
目論見書が示すように、サウジアラムコの株式は現在、2,000億株存在する。IPOにおいて、そのうち0.5%がサウジ国民、条件を満たす銀行口座を所有する国外居住者、GCCの国民など、個人投資家に販売される。
つまり、売出において約10億株が機関投資家でない投資家たちに提供されるのだ。
もちろん、購入予約期間の終了後にアラムコの合計時価総額がいくらになるかはまだわからない。これは、世界規模の大手機関投資家の需要に左右されるだろう。しかし、IPOに助言する銀行が示す評価額には大きな開きがあり、低いのは$1.2兆、高いのは$2.3兆となっている。IPOは$1.5兆未満にはならないだろう。そして、王国がどれほど願っても$2兆を超えることはありえないだろう。
そこで、適正なのは中間点の$1.75兆と予想する。世界の投資家から見ても高すぎず、業者から見ても低すぎない。
そうであれば、1株あたり$8.75という価格になる。つまり、個人投資家向けの公開によって$87.5億が調達される。これは、人口が約3,340万である王国の男性、女性、子どもの各人から約$260を調達することに相当する。
人生で稀に見るIPOにしては、度を超えたものではないようだ。