
アラブニュース
ドバイ:世界経済が新型コロナパンデミックから脱却するに連れてサウジ経済は今年プラス成長に戻ると予想され、財政赤字は縮小すると、S&Pグローバルレーティングが発表してサウジの信用格付けを安定した見通しの「A-/A-2」とした。
同報告書は、2021年から2024年のサウジアラビアの実質GDP成長を平均2.3%と予測し、この評価は財政収支と対外収支の両方における純資産残高の大きさによるものだと付け加えた。
新型コロナパンデミックと原油価格や需要の低下により、2020年のサウジ経済は急激に縮小したが、世界経済の強化と原油価格の上昇が今年のサウジの成長を支えるだろうとS&Pは述べている。
「原油も、プラスチックや石油化学製品などの輸出品も、中国と米国を中心とした世界的な需要の回復による恩恵を受けるだろう」としている。
S&P予測に対するアップサイドリスクとしては、予想より高いGDP成長や、政府の純資産残高の減少の反転が挙げられる。ダウンサイドリスクとしては、予測以上の財政的脆弱さ、サウジの対外収支の急激な悪化、石油セクターに対する地政学的脅威などが挙げられる。
「財政赤字を抱えながらも、一般政府純資産のストック全体(流動的な国庫金融資産の政府負債に対する超過分)の残高は、2021年から2024年には平均してGDP の51%となるだろうと予測する」と報告書は述べている。