ドバイ:サウジアラビアをはじめとする主要石油・ガス産出国は、気候変動に関するパリ協定の実施を支援し、温室効果ガス排出実質ゼロ(ネットゼロ・エミッション)の達成に向けてチームを組み連携している。
『ネット・ゼロ・プロデューサーズ・フォーラム』の他の参加国は、アメリカ、カナダ、ノルウェー、カタールとなっている。
サウジアラビアのエネルギー省は、気候変動の世界的な影響を認識し、パリ協定の完全な実施に向けたサウジアラビアの決意を改めて表明した。
「カナダ、ノルウェー、カタール、サウジアラビア、米国は、世界全体の石油・ガス生産量の約40%を占めており、我々は連携フォーラムを構築し、温室効果ガス排出実質ゼロ戦略を策定する」とする参加国による共同声明を発表した。
共同声明によると、この戦略には、メタン削減、循環型炭素経済アプローチの推進、クリーンエネルギーおよび炭素回収・貯留技術の開発及び展開、さらに炭素税収入への依存からの脱却などが含まれている。
この連携フォーラムは、温室効果ガス排出量目標達成における各国固有の状況を認めた上で、各国がパリ協定の目標に対して説明責任を果たすことを推進するものとなる。
特にサウジアラビアは、気候変動との戦いにおいて「テクノロジーとイノベーションが果たす重要な役割を強く支持する」と述べ、国際社会における連携の重要性を強調した。
この発表は、ジョー・バイデン米大統領が開催した気候サミットに各国の首脳が集まり、温室効果ガス排出削減目標の設定が重要な議題となった中で実施された。
専門家らは、近年、国際的な気候変動対策に楽観的な見方が広がっていると指摘している。
天然資源コンサルタント会社ウッドマッケンジー社のアメリカ担当副会長であるエド・クルック氏は、「世界主要国の指導者らが、バイデン大統領が主導する気候変動サミットに参加していることは心強い」と述べた。
また、多くの主要国が今後10年間で達成すべき排出目標を設定していることは、変革の機運を示す重要な指標であると加えた。