
フランク・ケイン
ドバイ:世界経済の回復期待から、原油価格が1バレル70ドルに向け価格を切り上げている。これはここ1年あまりの間でたった2度目のことだ。
来年の経済成長率がこの40年で最高の6%に達するとのIMF国際通貨基金の見通しを含むポジティブなニュースが多く流れる中、世界的ベンチマークのブレント原油は、水曜日に70ドル近辺わずか数十セントの範囲で取引された。
この動きは、国際的なエネルギー専門家が今年下半期の石油需要回復に関して楽観的な評価をし、またロックダウン制限解除によりドライバーたちが再び運転を始めアメリカの石油需要が強まった後に生じた。
COVID-19パンデミックが猛威を振るっているインドからの悪いニュースも、世界経済とエネルギー需要に関する全体的にポジティブな見通しを弱めることはなかった。
インドは原油の大量輸入国だが、アメリカ、中国、ヨーロッパといった大きな経済圏との関係における経済規模は小さい。
トレーダーたちは、パンデミックによる航空機の運航大幅制限でとりわけ大きな打撃を受けたジェット燃料が、今夏30%急上昇する状況が整ったというアメリカ政府のレポートにとりわけ勇気づけられた。
ドバイのある石油トレーダーは、「アメリカが再び航空機の通常運航を始めれば、世界経済もまもなく浮上するだろう」と述べた。
石油ブローカーPVMのスティーブン・ブレノック氏は、「原油価格はじわじわと上昇しており、70ドル回復は現実のものになろうとしている」と述べた。この価格レベルになると、サウジアラビアを含む多くの産油国の原油収入が国家の財政収支に極めて大きな影響を及ぼす。