
アラブニュース
リヤド: サウジアラビアの財政赤字が第1四半期に大幅に縮小したのは、政府の財政が構造的に改善されたことが一因であり、従って信用度はプラスであると、ムーディーズ・インベスターズ・サービスが発表した。
財政赤字縮小は大部分、原油価格の上昇と季節的な支出減少の結果であるとしながらも、付加価値税の増加と資本支出の減少といった構造的な要因も関係していると、ムーディーズは電子メールによる報告で述べた。また特筆すべきこととして、非石油部門の財政赤字が過去6年間で最小であったとしている。
サウジアラビアは2021年第1四半期に20億ドルの財政赤字を計上し、2020年第4四半期の290億ドル、2020年第1四半期の90億ドルの赤字額から減少した。
ムーディーズは報告書の中で、「構造的な改善が、石油の需要や価格の世界的変動によるリスクを軽減させている」とし、「このまま続けば、昨年の新型コロナウイルスに端を発した財政悪化を一部を回復し、政府バランスシートの更なる悪化を阻止することにもなる」と述べている。
ムーディーズは現在のサウジアラビアを、投資適格では上から5番目の「A1」に格付けし、見通しは「ネガティブ」とした。
サウジアラビアの非石油部門の経済については、2020年に2.3%縮小した後、2021年は3.4%成長すると予測した。
「新型コロナウイルスによる昨年の経済の縮小は、構造改革の結果として2019年に顕著となった成長機運の強化や、多様化プロジェクトの実施における初期のいくつかの進歩を頓挫させた」とムーディーズは述べている。