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重要投資分野はホスピタリティ、アル・ウラー王立委員会

この開発計画は、中核となるアル・ウラーの遺産地域を対象として、2035年までに3段階での実施が予定されている。(資料)
この開発計画は、中核となるアル・ウラーの遺産地域を対象として、2035年までに3段階での実施が予定されている。(資料)
開発全体の予算は、570億サウジ・リヤル (150億米ドル) と見積もられている。(資料)
開発全体の予算は、570億サウジ・リヤル (150億米ドル) と見積もられている。(資料)
RCUは、ホスピタリティを、アル・ウーラの潜在性を輝かせ、さらには、提携企業や事業を急速に発展させ得る主要な分野の1つと考えている。(資料)
RCUは、ホスピタリティを、アル・ウーラの潜在性を輝かせ、さらには、提携企業や事業を急速に発展させ得る主要な分野の1つと考えている。(資料)
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11 May 2021 07:05:43 GMT9
11 May 2021 07:05:43 GMT9
  • 「時の旅マスタープラン」では、5,000のホテル客室の整備を予定しており、その内1,000室は2023年までに使用可能となる

レベッカ・アン・プロクター

ドバイ:サウジアラビアが最近発表した150億ドル規模のアル・ウラー開発の全体計画では、ホスピタリティが重要投資分野とされており、世界的に有名なホテルグループのいくつかがこの行政区域に初進出することになる模様だ。

「時の旅マスタープラン」は、 4月7日に発表されたアル・ウラー王立委員会 (RCU) による一連のアル・ウラー開発計画の第一弾である。5,000のホテル客室の整備を予定し、その内1,000室を2023年までに使用可能とすることをこの「時の旅マスタープラン」は企図している。開発計画全体では、アル・ウラーを対象としたより広範な開発戦略の一環として2035年までに9,400の客室を整備することを目指している。

この開発計画は、中核となるアル・ウラーの遺産地域を対象として、2035年までに3段階での実施が予定されており、第1段階は2023年の完了を予定している。

開発全体の予算は、570億サウジ・リヤル (150億米ドル) と見積もられており、その内120億サウジ・リヤル (32億米ドル) は基幹インフラに割り当てられている。

「時の旅マスタープランによって、アル・ウラーの潜在性を解き放ち、リゾート・デスティネーション、世界的な文化資産、そして有望な投資案件にしようとしています」と、アル・ウラー王立委員会の最高財務責任者であるウェッサム・ラバード氏はアラブニュースに語った。

「この計画は、複数の資産クラスにまたがる多様な投資機会を創出しています。例えば、史跡関連の文化的プロジェクト、社会インフラ、公益事業、交通、ホスピタリティ、商業プロジェクト、住宅プロジェクト等に関連した投資案件が提供されます」とラバード氏は述べた。「付言させていただくと、私たち自身からも20億米ドルの開始資金をアル・ウーラの重要プロジェクトに割り当て、将来のすべての投資案件のリスクを引き下げています」。

RCUは、ホスピタリティを、アル・ウーラの潜在性を輝かせ、さらには、提携企業や事業を急速に発展させ得る主要な分野の1つと考えている。また、ホスピタリティは、地域社会での持続的成長を通してサウジビジョン2030に寄与し得るセクターでもある。

「ホスピタリティの提供が、歴史と自然への敬意に根差した、地域社会の友好的で温かい文化を真に反映したものであることを私たちは望んでいます」と、RCUの観光事業管理・マーケティング責任者のフィリップ・ジョーンズ氏はアラブニュースに語った。

アル・ウーラに進出済みまたは現在建設中のホテルには、アコー/バンヤンツリー、アマン、ハビタスなどがある。RCUは、さらに多くのホテルグループが参入してくるものと見込んでいる。

アマンは、高級ホテルグループとして知られている。そのホテルは、基本的には、一般的な観光地から離れた異国情緒溢れる場所を選んで展開しているが、ニューヨークや東京といった最先端の国際的都市での展開もある。

2023年末に完成予定のアマンのアル・ウーラ・ヘグラ・リゾートの場所は、ユネスコの世界遺産であるヘグラに程近いアル・ウーラのナバテア・ホライゾン区域内の人里離れた山間部である。このリゾートは、40棟の豪華なヴィラ、ディスカバリー・センター、岩に部分的に彫り込まれたライブラリー、地下のスパ、自然景観を活かした多層構造の有機果樹園などから成る。

「ハビタスにアマン、そして著名な建築家であるジャン・ヌーヴェル氏など我々のパートナーはそれぞれ根本的に異なるスタイルを持っていますが、1つ共通していることがあります。それは、対象地に対して没入するアプローチです」と、ジョーンズ氏は言った。「この自然景観に理解の有る、世界屈指のブランド価値を有する企業と提携することで、ビジター体験と地域文化の両方を全面に押し出したデスティネーションを我々は創り出そうとしているのです」。

環境に配慮したラクジュアリー・リゾート・チェーンのハビタスも、アル・ウーラへの進出を果たす重要な企業だ。旗艦ホテルをメキシコのトゥルムに置くこのブランドは、現在、100の客室を有する施設を、アル・ウーラのアシャール谷という砂漠峡谷に建設中である。このホテルでは、音楽やスパセラピー、さらには天文学に基づくヨガ・セッションすらをも用意して、地域性を取り込もうとしている。このリゾートでは、モジュール式の建設を行うことによって、地域の生態系への影響を最少限にしようとしている点も特筆に値する。

アコーが運営するバンヤンツリーは、既存のアシャール・リゾートを、RCUとの提携を通して、アル・ウーラのナバテア・ホライゾン区域内で拡張しつつある。47棟のヴィラが新たに追加され合計82棟となり、新しいレストランいくつかとスパ施設も設けられる。ヘグラから15 kmの場所に位置するこのリゾートは、魅力的なアシャール谷の自然景観が引き立つように、慎重かつ繊細にデザインされている。

RCUがアル・ウーラの歴史的遺産に観光とホスピタリティを通じて献身的な投資を行っていることを示すもう1つの例は、先駆的な建築事務所であるアトリエ・ジャン・ヌーヴェルによる世界初の施設の建設である。アトリエ・ジャン・ヌーヴェルはルーブル・アブダビの設計も担当している。

この施設の目的は、古代ナバテア人の2,000年前の建築遺産を蘇らせることにある。繊細な構成によって周囲の古代の岩石層と調和する現代的な構造の中で、アル・ウーラの枢要な過去を復活させようとしているのである。

RCUにとって根本的に重要な事は、アル・ウーラの歴史的遺産と基幹インフラへの投資である。アル・ウーラ国際空港の拡張と治安関連インフラの改善などの開発プロジェクト、そして、アシャールの土地やマラヤといった主要な観光資源の構築に、RCUは既に20億米ドルの投資を行っている。

マラヤは、コンサートホールとして使用可能な多目的施設で、アシャール谷に建設された世界最大の鏡張りの建築物である。鏡面となっている壁の中で、ウインター・アット・ タントラ・フェスティバルが開催され、これまでにアンドレア・ボチェッリやライオネル・リッチー、ラン・ラン等がコンサートを行っている。この施設は、大規模な会合や会議にも適しており、2021年1月には第41回GCCサミットの会場となり、湾岸協力会議に加盟する各国の首脳たちがここに参集した。

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