ニコンはデジタル一眼レフカメラ本体の国内生産を来年3月末までに終了する。国内に唯一残っていた宮城県の工場からタイ工場へ生産を移管。スマートフォンの台頭でデジタルカメラ市場が縮小する中、70年以上の国内生産に終止符を打つ。
生産を終えるのは、プロ向けカメラ「D6」を製造する子会社「仙台ニコン」(宮城県名取市)の工場。ただ、移管後も同工場は閉鎖せず、カメラ部品などの生産を継続。従業員も材料加工やロボット事業などへ配置転換する。
ニコンは1948年のカメラ発売以来、キヤノンとともに一眼レフカメラ市場をリードしてきた。しかし、近年は小型軽量のミラーレスカメラ市場が拡大。ニコンが得意とする高価格帯一眼レフの需要は低迷し、2021年3月期の連結純損益は過去最大の赤字に陥った。
ニコンはこのほか、デジカメ用交換レンズを生産する山形県と福島県にある2工場を8月末で閉鎖する。オリンパスも1月にカメラを含む映像事業を日本産業パートナーズに売却しており、市場縮小の影響が広がっている。
JIJI Press