アラブニュース
リヤド:原油価格が過去数年の最高値を更新する中、サウジアラビアは土曜、国内消費と経済成長を支えるため7月10日からガソリン価格に上限を設定すると発表した。
サウジが 2018年に原油価格規制自由化に踏み切り国際原油価格との連動方式を採用して以来、ガソリンに上限価格を設定するのは初のこととなる。
サウジ国営通信(SPA)はエネルギー・水価格改革実行委員会(Energy and Water Price Reforms Executive Committee)に言及し、オクタン価91(レギュラー)の価格をSR2.18 ($0.58)、オクタン価95(ハイオク)の価格をSR2.33に据え置くという国王令が発令されたと伝えた。
公式声明によると「これは市民や住民への生活上の負担を軽減したいという首脳部の思いと、公益保護および国内の経済活動支援のための継続的な取り組みに端を発するもの」であり、政府は価格差により生じるいかなるコストも負担するとしている。
「住宅とエネルギーのコストはサウジ消費者のインフレバスケットの25パーセントを占め、家計へのエネルギーコストの負担軽減はそれら以外の活動に使う可処分所得が増大することで経済成長の促進につながり、サウジ経済を大きく助ける決定となる」と、アル・ラジヒ・キャピタル社調査部門長のマゼン・アル・スダイリ氏はアラブニュースに語った。
7月のオクタン価91(レギュラー)の価格はSR2.28、オクタン価95(ハイオク)はSR2.44まで上昇したが、国王令によるとガソリン価格には認可された上限価格が適用されることとなり、上限を超えないよう定期的な見直しが行われる。
先週のOPECプラスでは増産に関する協議が決裂し、供給不足およびさらなる原油価格上昇への懸念が沸き起こった。
米国、インド、中国等の国では夏の運転シーズンを迎え燃料の消費が増加している。米国内の旅行者の運転需要が加速する中在庫が急速に減少しており、製油所は需要に対応するためほぼ全力の生産体制に入っている。
ロンドン・ニューヨークの原油は$74で取引され、ゴールドマンサックスは原油価格は年内に$80に到達すると予想している。