
インジ・アルブカリ、リアナ・アクバリ
リヤド:「第四次産業革命(4IR)の最新技術は、サウジアラビア経済に1兆リヤル規模の新たな収益をもたらすと予想されている」。28日にリヤドで開催された会議において、サウジ高官はそう語った。
よりスマートな街やインフラを目指す中で、王国にはロボティクスや人工知能(AI)、無線の生産モデルによる好景気が期待される。
アブドゥラ・アルスワハ通信・情報技術大臣は「サウジ4IRカンファレンス」冒頭の挨拶で、世界経済フォーラム(WEF)との協力で「サウジ4IRセンター」を開設したと発表した。そして、技術の進展に遅れまいと各都市が努力する中、センターがさらなるイノベーションを促していくと語った。
King Abdullah City for Science and Technologyにおいて2日間の日程で開かれる会議の聴衆に対し、大臣は、世界的な技術センターとなる新たな巨大プロジェクト「NEOM」において王国が最も技術的に進んだインフラを構築中であると語った。
4IRは非常に大きな影響をもたらすと想定されている。2017~2030年にかけて非石油部門の国内総生産(GDP)の伸びは4%を超え、新たに1兆リヤルの利益をもたらす、とサウジアラビア データ人工知能庁(SDAIA)のアブドラ・アルガムディ長官は会議冒頭に語った。
長官は、SDAIAが各都市の特定のニーズを満たすため、特別なプラットフォームを開発中であると付け加えた。
第四次産業革命のコンセプトを最初に示したのはWEFのクラウス・シュワブ会長で、2016年のダボス会議のテーマとなった。WEFは2016年、最初の4IRセンターをサンフランシスコに開設した。現在はサウジアラビアを含む13の国にセンターがある。
「センターの開設によって、あなた方は私たちの成長する世界的なセンターのネットワークの一員となりました」とシュワブ氏は会議に向けたメッセージの中で述べた。
サウジアラビアは都市のデジタル化に大規模な投資を行っており、国内の都市部の60%が5G対応となっている、とヘイサム・アロハリ通信・情報技術副大臣は述べた。
サウジ政府は世界で最も進んだ電子政府システムのひとつを開発し、デジタル転換を支援するデータとAIも整備している、とバンダル・アルコラエフ工業相は述べた。また、40か所の特別統合工業都市に1万以上の工場を整備して強力な製造拠点を有し、製造施設や労働者に必要なインフラとサービスを提供していると語った。
世界有数の石油化学メーカーSABICのユースフ・アルブニャンCEOは、同社が技術の進展に遅れないように努力し、AIや機械、ロボティクスのデジタル転換に力を注いでいるとカンファレンスで語った。また、顧客へのスマートソリューションの提供や競争プロセスの強化を模索しているとも語った。