
リヤド:サウジアラビアの銀行は、第2四半期に湾岸諸国で最大の純貸付額の増加を記録した。また、地域経済がコロナウイルスの大流行からの回復を続けていることから、サウジアラビアの金融機関の自己資本利益率は急上昇した。
クウェートを拠点とする資産運用会社のカムコ・インベスト社が発表したレポートによると、サウジアラビアの金融機関の融資残高は前3ヶ月間に比べて13.1%増加し、湾岸協力理事会(GCC)諸国の中で最も多くなっている。収益性の指標である株主資本利益率(ROE)は、サウジアラビアの銀行が11.0%となり、カタールに次いで域内第2位、平均の9.1%を上回った。
経済活動の活発化は、UAEとサウジアラビアの購買担当者景気指数(PMI)が2021年5月と6月の間に上昇を続け、成長の目安となる50を大きく上回ったことにも表れているという。
政策面では、サウジアラビアとクウェートにおいて、「脆弱なセクターを対象とした複数の支援プログラム」が延長され、銀行セクターに短期的な確実性を与えたことも影響。
「また、サウジアラビアでは2つのデジタル・バンキング・ライセンスが付与されたことで、新たなバンキング・チャネルが誕生した」と報告されている。
2021年6月末時点で、サウジアラビアの銀行が供与した信用枠の総額は1兆9,500億SR(サウジ・リヤル)で、前四半期比で4.0%、前年同期比で16.8%増加した。
企業は、2022年末まで低金利が続くとの見通しから、新規プロジェクトの資金調達を行った。
GCC における貸倒引当金(LLP)の増加は主にサウジアラビアが牽引し、LLPは第1四半期の6億ドルから第2四半期には12 億ドルへとほぼ倍増。サウジアラビアでの増加は、主に、サウジ・ナショナル・バンクがサンバ・ファイナンシャル・グループとの合併後に計上した引当金の増加に起因するとのことである。
GCCでは、顧客預金の動向もおおむね良好で、サウジアラビアの銀行は前年同期比7.8%増と地域平均の6.1%を上回り、上位にランクされている。