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イスラエルは人質2人を救出、ガザ当局は空爆で67人が死亡と発表

2024年2月12日、ガザ地区南部のラファで、イスラエル軍の空爆を受けたモスクの瓦礫の中の被害状況を確認する人々。(AFP)
2024年2月12日、ガザ地区南部のラファで、イスラエル軍の空爆を受けたモスクの瓦礫の中の被害状況を確認する人々。(AFP)
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13 Feb 2024 02:02:19 GMT9
13 Feb 2024 02:02:19 GMT9
  • ガザの保健局は、一晩で67人のパレスチナ人が死亡し、救出作業が進行中であるため、その数はさらに増える可能性があると述べた
  • アルゼンチン政府は、二重国籍者であるという2人の救出についてイスラエルに感謝した

ドーハ/エルサレム:12日、イスラエルの救出作戦により、ラファでハマスの武装勢力に拘束されていた2人の人質、イスラエルとアルゼンチンの2重国籍者が解放されたが、支援空爆により、70人近いパレスチナ人が死亡した。ラファには約100万人の民間人が数ヶ月に及ぶ砲撃から避難している。

イスラエル国防軍、イスラエル総保安庁、特別警察部隊によるこの作戦で、フェルナンド・シモン・マルマンさん(60)とルイス・ヘアさん(70)が解放されたと、軍が発表した。2人は、イスラエルによるガザ戦争の引き金となった10月7日のハマスの武装勢力による襲撃で拘束された250人のうちに含まれていた。

4か月以上が経過し、地中海沿岸の人口密集地帯であるガザ地区の大部分は廃墟となっており、ガザの保健局によれば、28,340人のパレスチナ人が死亡し、67,984人が負傷し、多くの人々が瓦礫の下敷きになっているとみられる。

イスラエル軍は、この間に31人の人質が死亡したと発表しているが、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は、12日の救出劇は軍事的圧力を継続すべきことを示していると述べ、ラファへの地上攻撃計画に対する国際的な警戒を一蹴した。

「フェルナンドとルイス、お帰りなさい」と同首相は述べ、2人を救出したイスラエル軍に敬意を表した。「完全勝利まで軍事的圧力をかけ続けることだけが、人質全員の解放をもたらすだろう」

ガザの保健局によると、一晩で67人のパレスチナ人が死亡し、救助はまだ続いているため、その数はさらに増える可能性があるという。現場にいたロイターの記者は、モスクを含む建物が破壊された広大な瓦礫地帯を目にした。

「朝から家族の遺体の一部を集めています」と、イブラヒム・ハスーナさんは、近くにあった幼い子供の遺体に跪きながら語った。「彼らのつま先か指しか見分けられなかったです」

イスラエル軍の報道官によると、人質は建物の2階に拘束されていた。周囲の建物との激しい銃撃戦の最中に、この建物を爆発物で破り、突入した。

「我々はこの作戦に長い間取り組んできました」とリチャード・ヘクト中佐は述べた。「我々は適切な条件を待っていたのです」

アルゼンチン政府は、二重国籍者であるという2人の救出についてイスラエルに感謝した。ビデオ映像には、イスラエルのシェバ病院で親族と抱き合い、弱りながらも安堵した姿が映し出された。

「最後の祈り」

イスラエル軍は、自軍の撤退を可能にさせるために、襲撃と同時に空爆を行ったと述べた。

ガザ北部から親族とともに避難していたハスーナさんは、軍事作戦から少なくとも4km離れた場所で殺害されたと語った。

「私たちは何もしていません。なぜ私たちを爆撃したのですか」とハスーナさんは述べた。

ラファの人々によると、イスラエルの戦闘機、戦車、艦船による1時間以上の砲撃で、2つのモスクといくつかの住宅ビルが攻撃され、広範囲にパニックを引き起こしたという。

「私たちのテントキャンプから200m離れたところに砲弾やミサイルが着弾し、死が間近に迫っていました」と、6児の父であるビジネスマンのエマッドさんは、チャットアプリを通じてロイターに語った。エマッドさんによると、先月ラファに到着して以来、最悪の爆撃の夜だったという。

戦争で避難した100万人以上の人々が行き場を失って避難しているこの都市で、イスラエルが長らく予想されていた地上攻勢を開始したのではないかと危惧する声もあった。

「家族と私は最後の祈りを捧げました」とエマッドさんは語った。

人質の1人の親族は、救出後に解放された2人を見たが、「少し衰弱し、少し痩せて、少し青ざめていた」が、全体的には良好な状態だったと述べた。

ヘアさんの義理の息子であるイダン・ベイェラーノさんは、人質が眠っていたとき、「1分も要せずに」特殊部隊が建物に突入し、人質らを保護したと語った。

ハマスによれば、ラファへの攻撃は、イスラエルがパレスチナ人民に対して行った「ジェノサイド戦争」と強制移住の試みの継続であるという。

イスラエルの集計によると、ハマスの武装勢力は、戦争の発端となった10月7日のイスラエル南部襲撃で1,200人を殺害した。イスラエルは、12,000人以上のハマスの武装勢力を殺害し、大隊の4分の3を壊滅させたと発表した。そのうち4大隊はラファにいたと先に述べていた。

オランダの裁判所、イスラエルへの戦闘機部品輸出を差し止め

西側の指導者の多くは、イスラエルの攻勢に警戒感を示す一方、イスラエルへの支援を続けている。

しかし、オランダの控訴裁判所は、ガザにおける「国際人道法違反の明らかな危険性」を理由に、イスラエルへのF-35戦闘機部品の輸出を差し止めたと述べた。

イスラエル政府のエイロン・レビー報道官は、イスラエルは「過激主義とテロリズムがヨーロッパでさらに拡大する」のを防ぐために戦っており、同盟国がイスラエルの側に立つことを期待していると述べた。

イギリスはイスラエルに対し、人々が閉じ込められているラファを攻撃するのではなく、人質を解放するために停戦に同意するよう求めた。

デービッド・キャメロン外相は、「こんなに人で溢れかえっているなかで戦争をすることは不可能だと考えている。彼らの行き場はどこにもない」と述べた。

ジョー・バイデン米大統領は、イスラエルには信用できる避難計画が必要だと述べた。イスラエルのレビー報道官は、国連の援助機関に支援を求めた。「我々と協力して方法を見つけよう」と同報道官は述べた。

援助機関は、ラファへの攻撃は壊滅的なものになるだろうと述べている。エジプトは、ガザの人々が押し出され、二度と戻れなくなることを懸念していると述べ、ラファとの国境を強化している。

イスラエル政府高官は、人々をさらに北部に避難させると述べたが、イスラエル軍はガザ中心部でも活動している。パレスチナの医療関係者によると、中心部の町デイル・アル・バラでは、空爆により15人が死亡したという。

ハマスの幹部は先週末、イスラエルがラファで地上攻撃を行なえば、人質交換交渉は「吹き飛ぶ」と述べた。

アメリカをはじめとする西側諸国の指導者たちは、中東諸国が戦後のガザ再建を支援することを望んでいる。アラブ首長国連邦の国連大使は、そのためには、双方が自国に対する相手の権利を認め、数十年にわたるイスラエルとパレスチナの紛争の二国家解決に向けた「不可逆的な進展」が必要であると述べた。

ロイター

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