
サラ・アルファイズ、ファハド・アブルジェダイール
リヤド:サウジアラビアのハーリド・アル・ファーリハ投資大臣は8月29日、多くのサウジ大手企業が石油化学、ヘルスケア、再生可能エネルギーなどオマーンの基幹セクターへの投資に関心を抱いていると語った。
サウジ国営通信社(SPA)によると、サウジアラビアの実業家と当局者からなる代表団を率いてオマーンに赴いているアル・ファーリハ大臣は、2021年第一四半期に両国間の貿易額は20億サウジアラビア・リヤル(5億3300万ドル)を上回ったと述べた。関係の深いこの両国間の貿易は新型コロナウイルス・パンデミックにより打撃を受けたが、現在ではパンデミック前の水準に復帰しつつある、と大臣は述べた。
オマーンに投資するサウジアラビア投資家の数は1,235に上る。他方、現時点でサウジアラビア王国に投資しているオマーン企業は320社で、投資分野もさまざまである。アル・ファーリハ大臣は、サウジアラビアの対オマーン投資額はほぼ240億リヤル、オマーン側の投資額は40億リヤルを上回ると語った。
大臣は、両国間のパートナーシップ強化に取り組んでいる最中であることを明らかにした。閣僚訪問は両国間の経済的結び付きと相互投資の拡大強化を目指すものだ。
先月、オマーンのスルタン・ハイサム・ビン・ターリク国王がサウジアラビア王国を訪問した。その訪問の際に、両国はオマーンのドゥクム地方への投資、エネルギー協力、食料安全保障パートナーシップ、種々の文化・スポーツ・観光活動などを主要な協力分野とする取り組みを開始することに合意した。ビジネス面での両国の結び付きを促進する目的で、サウジ・オマーンビジネス協議会(Saudi-Omani Business Council)も設立された。
先日のアル・アラビーヤのリモートインタビューでは、アル・ファーリハ大臣は、新型コロナウイルス・パンデミックが引き起こしたいくつかの問題にもかかわらず、「2020年に両国は直接投資の水準を20パーセント高めることができた」と述べている。
大臣はテクノロジーの重要性を強調しつつ、「サウジアラビア王国の各経済セクターの競争力と生産性を決定する要因は、生産性とグローバル競争力に関する最新テクノロジーを導入できるかどうかだ。皇太子のビジョンでも、この最新テクノロジーの導入が謳われている」と述べた。
アル・ファーリハ大臣は最近イギリスを訪問している。大臣はインディペンデント・アラビア紙とのインタビューで、サウジアラビア王国はより多くの資本を惹きつけるための取り組みを行っている、と語っている。
大臣は、「サウジアラビア王国における真の意味での投資プロセスは未だ開始されていない。とりわけ、公的投資基金(PIF)や大企業が積極的な役割を果たすものに関しては」と述べている。
アル・ファーリハ大臣は、「サウジアラビアに投資する英国企業」にとって、石油化学部門は投資を誘致する主要セクターの一つであり、サウジアラビアのこのセクターが世界有数のものになっている事実を指摘した。
アル・ファーリハ大臣は、ジュバイルでの20億ドル規模のニトリル生産プロジェクトに関して、イネオス・グループとの協議が行われていることを明かした。ニトリルは炭素繊維など先進工業分野の主要材料で、自動車産業など多くのセクターに関わっている。