シャーサ・アルマスーディ
リヤド: 推定1兆3000億ドルの潜在価値があると見込まれる鉱業セクターの活用をサウジアラビアが目指す中、王国の新たな鉱業法は国内外の民間投資を多く誘致するものである、と鉱業コンサルティング会社ゴールデン・コンパスの創業者兼CEOのメシャリ・アル・アリー氏は語る。
一月、王国はサウジアラビアの地下に潜む膨大な資源を活用するため、鉱業基金を起ち上げ、地質調査と探査プログラムの活動を援助することを決めた。
またサウジ工業開発基金は世界的な投資家を王国に誘致するために60%の融資を提供しており、産業鉱物資源省は37億ドルを鉱業に投資している。
ハレド・アル・ムデイファー産業鉱物資源副大臣は先月、王国の地下に潜在する富について熱弁を振るっていた。同氏はCNBCに対して、調査によってリン酸塩・金・銅・亜鉛・ニッケル・希土類金属ならびにその他の鉱物が1兆3000億ドル分蓄積されていると推定される、と語った。
アル・アリー氏は、鉱業に対する王国の熱意は世界規模の注目を集めるであろうことに自信を持っている、とアラブニュースに語った。
「これはとても柔軟で透明性に優れたシステムであり、世界の鉱業の中でももっとも有力なものである」とアル・アリーはいう。「このシステムは新しく、サウジアラビアに投資家が集まることを促進する可能性がある」とも語る。
ビジョン2030の元で鉱業は、石油依存から脱却を目論むサウジアラビアが国家経済の多角化を目指す上で、エネルギー産業、石油化学産業についで経済開発の3本目の柱に位置付けられている。
サウジ地質調査は探査を行う54ヶ所をすでに公表しており、向こう数ヶ月でさらに多くの場所が公表され投資家たちに競売にかけられる予定だ。
サウジアラビアの鉱業の透明性と競争力を高める一環として現在、投資家たちが鉱床の位置を知ることができるよう国立地質データベースが作成されている。
例えば東部ラズ・アル・ハイル工業都市にあるサウジ鉱業会社マアデンとの108億ドル規模の合弁事業の一環としてマアデン・ボーキサイト・アンド・アルミナ社およびマアデン・アルミニウム社に25.1%出資している米国のアルコア社など、王国は国際的に有力な投資家たちの誘致に成功している。
別の米国企業肥料生産会社モザイクはサウジアラビア北部ワアド・アル・シャマール鉱物工業都市にある80億ドル規模のマアデン・ワアド・アル・シャマール肥料生成コンビナートに25%出資している。
カナダのバリック・ゴールド社はジャバル・サイードの地下銅鉱および工場にマアデンと共に50%出資している。
「向こう2、3年のうちに民間セクターの貢献は多大なものになる」とアル・アリー氏はいう。
同氏によれば、鉱業セクターは数年のうちに王国内に数千の雇用を生み出すとみられており、最終的には2030年までに地質学者、エンジニアなど256,000人の雇用創出を目標にしているという。
「その野心はGDPへの鉱業の貢献度が倍増することで反映される」とアル・アリー氏は語る。
「2020年度の鉱業セクターの収入は960億サウジアラビア・リヤル(260億ドル)以上あった。2030年までにそれを1,760億サウジアラビア・リヤルに引き上げることを目指している」という。