ディーマ・A・クデイル
ジェッダ:この程サウジアラビアとオマーンの高官が相互訪問を行った後、サウジアラビア企業はオマーンへの投資機会をこれ迄になく積極的に模索している。
相互訪問の後、両国の関係発展に弾みがつき、両国にとっては様々な分野で新しい機会に道が開けた。
数ある企業の中でも、アル・サヤディヤ・ユナイテッド社(Al Sayadiyah United Co.)とルブレックス・フォー・トレード・アンド・インダストリー社(Luberex Co. for Trade and Industry)が、オマーンへの事業拡大のためオマーン側の企業と交渉に入ったという報道もある。
サウジアラビアを拠点とするアル・サヤディヤ・ユナイテッド社CEOのマルワン・ラッファ氏によると、同社には40年近くに及ぶ歴史があり、異なるGCC諸国からの水産物取引を手掛けている。同氏はオマーンと非常に良好な貿易関係を築くことができると期待している。
ラッファ氏はオマーンでの事業拡大に向け、オマーン企業のCEOと交渉中である。
氏は、事業活動は当然、サウジアラビアと他国との関係に左右されると言う。
「関係が良ければ、機会も増大します」
オマーンの海岸線は3,000キロ以上に及ぶ。ラッファ氏の事業にとってオマーンは商機に恵まれた地であると、氏が語った。
「アラビア半島の南に位置するオマーン国は、南にインド洋、東にアラビア海に面し、海岸線が3,000キロ以上にも及びます。オマーンは海洋生物の宝庫であり、申し分のない豊富な水産物の供給源になっています」
アル・サヤディヤ・ユナイテッド社はジェッダで10軒とリヤドで2軒のレストランを経営し、サウジアラビア全体で12軒のレストランを所有している。
ルブレックス・フォー・トレード・アンド・インダストリー社のCEO、アリ・アル・アッタス氏の話では、同社はオマーンで自動車用オイルを製造している。
「私たちは、オマーンと近隣諸国で市場を開拓したいと思っています」と、アル・アッタス氏がアラブニュースに語った。
オマーンの製造品は高品質であると、同氏が述べた。「オマーンの製造品が高品質であることは、サウジアラビアの工業生産品と同様に周知の事実です」
「投資の手続きも容易です」と、氏が続けた。
ルブレックス社は2016年に設立され、オマーンであらゆる種類の自動車用オイルを製造し、更にリヤドでも塗料吹付器や防錆剤などの製品を製造している。
同社の年間売上高は300万ドルから500万ドルで、サウジ証券取引所での上場を目指している。
オマーンのスルタン・ハイサム・ビン・ターリク国王がこのほどサウジアラビアを訪問し、その際、いくつかの取組みで両国が合意に達した。取組みの中には、オマーン、ドゥクム地域へのサウジアラビアによる投資促進、エネルギー、食品、文化、スポーツ、観光の各部門での協力が含まれる。
サウジアラビアとオマーンの企業が、石油化学製品・化学製品に特化した合弁会社の設立を検討していると、Argaam経済紙が最近報じた。
その記事には、サウジ・オマーン合同ビジネス協議会議長であるナセル・アル・ハジリ氏の言葉が引用されている。「サウジアラビア企業は、オマーンの産業、石油化学、化学品製造、養殖漁業、鉱業、食品、動物飼料、観光、不動産部門で主要な投資先を探しています。
合弁会社名は、今の所『湾岸企業(Gulf Company)』となっています」
サウジアラビア企業は、より良い刺激策と設備があれば、オマーンへの投資に熱心であると、アル・ハジリ氏が語った。
2021年の第1四半期の両国間の貿易額は20億SR(5億3300万ドル)を超える額に達した。
サウジアラビアのオマーンへの投資家の数は1,235人に達し、これ迄320社のオマーン企業がサウジアラビアの様々な部門に投資した。
現在、オマーンへのサウジアラビアの総投資額は240億SR近くに達し、オマーンからの投資は40億SRを超えている。