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サウジアラビアにおける開発と自然保護の両立

何千年もの間、サウジアラビアの原風景を美しく彩ってきたアラビアヒョウ。(アラミー)
何千年もの間、サウジアラビアの原風景を美しく彩ってきたアラビアヒョウ。(アラミー)
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22 Sep 2022 06:09:44 GMT9
22 Sep 2022 06:09:44 GMT9
  • アラビアヒョウは、景観と野生動物の再生への取り組むサウジアラビアの一端である
  • ターイフのアラビアヒョウ繁殖センターは、サウジアラビアの再野生化に取り組む多くの受益者のひとつに過ぎない

ジョナサン・ゴーナル

ロンドン:一国の政府がわざわざ他国の2匹のネコの誕生を祝福することは、そうあることではない。

しかし、先月リヤドの米国大使館から届いた特別なメッセージは、よく目にする2匹のネコではなく、世界で最も積極的な飼育繁殖プログラムの象徴である、2頭の雌の子ヒョウの誕生を祝うものであった。

「サウジアラビアの皆さん、最も愛らしい新たな住民の誕生、おめでとう」と8月18日、大使館のツイートがあった。アル・ウラー王立委員会(RCU)は「絶滅の危機に瀕しているアラビアヒョウを救うために素晴らしい働きをした」と付け加えた。

確かにそうだ。

RCUは、サウジアラビア北西部の自然、歴史、文化的に卓越した地域であるアル・ウラーを、人々が暮らし、働き、訪れる世界的な目的地として保全・発展させるために2017年に設立された。

以来、考古学、観光、文化、教育、芸術などの分野で幅広い取り組みが行われ「サウジアラビア王国のビジョン2030プログラムの経済的多様化、地域活性化、遺産保護優先を実現する取り組みが反映」されている。

アラビアヒョウは、何千年もの間、サウジアラビアの原風景を美しく彩ってきた、アル・ウラー、そしてサウジアラビアの遺産の一部である。

2015年に「顕著な普遍的価値」を持つ世界遺産としてユネスコに登録されたサウジアラビアのハーイル地方では、岩に手彫りされた何千もの岩面彫刻の中に、6,000年から11,000年前のヒョウが描画を見ることができる。

何世紀にもわたって農民やハンターの手によって迫害され、現代の発展によって生息地が確実に失われた今日、アラビアヒョウは国際自然保護連合によって「絶滅危惧種」に分類され、野生絶滅の一歩手前まで来ている。

この崇高な動物が目撃されることは非常に稀である。アラビア半島全体では100頭未満しか生息しておらず、主にオマーンのドーファー山脈で発見されていて、サウジアラビアではほとんど絶滅したと危惧されている。

RCUは、飼育下で十分な数のヒョウを繁殖させ、数千年にわたって生息していたアル・ウラーの山々に放つことで、この状況を変えようと計画している。

先月誕生が祝された2頭の子ヒョウは、ターイフにあるRCUのアラビアヒョウ繁殖センターでこれまでに生まれた18頭のうち最近のものである。

アル・ウラーには5つの自然保護区があり、その面積は12,500平方キロメートル、いずれも将来的にアラビアヒョウの生息地になると考えられている。2030年のヒョウの野生復帰に向け、RCUはヒョウの主な獲物である草食動物の餌となる植物の再導入に取り組んでいる。

アラビアオリックス、サンドガゼル、ヌビアイベックスなど数百頭の動物がすでに保護区に放たれ、持続可能なコロニーを形成しつつある。

アラビアヒョウは、サウジアラビアの景観と野生動物の保護・再生に取り組む同国の劇的な顔かもしれないが、同国の再野生化の取り組みから恩恵を受ける動物のひとつに過ぎない。

サウジアラビアの保護区に放獣されたヌビアアイベックス。(シャッターストック)

サウジアラビアには現在14の保護区があり、その面積は82,000平方キロメートル以上、隣国のUAEとほぼ同じ大きさである。最近始まった「サウジアラビア・グリーン・イニシアチブ」の下、国土の30%(64万平方キロメートル以上)を保護区に指定する計画が進行中である。

現在の保護区には、アラビアオオカミ、シマハイエナ、アカクビダチョウ、アラビアンオリックス、リーム、エドミガゼル、ヒヒ、カラカル、ミサゴ、フサエリショウノガン、コシベニペリカンなどの多くの鳥類、アカギツネ、スナギツネ、オジロスナギツネなど3種のキツネなど、驚くほど多くの野生動物が生息している。

サウジアラビアでは、開発と自然保護が両立している。例えば、サウジアラビアの西海岸にある90以上の島々を含む28,000平方キロメートルの地域に、国際観光の旗艦地を開発するために2018年に設立された紅海開発会社(RSDC)のDNAには、環境維持への取り組みが織り込まれている。

この地域には、ジュゴンやヤマネコ、アオウミガメやタイマイなどの希少種が生息している。プロジェクトの中心にあるラグーンには、175種類のサンゴと195種類の魚が生息している。また、ススハヤブサやカニチドリなど、絶滅の危機に瀕した海鳥の生息地としても重要な場所である。

「これらの生息地と種の保護が、このプロジェクト開発の中心であり、9つの特別保護区が指定され、島の75%は手つかずのまま残されることになる」とRSDCは述べている。

紅海に面したサウジアラビアのもうひとつの巨大プロジェクト、NEOMでも自然は最重要課題となっている。世界のために完全に持続可能な目的地を作るという夢が具体化する中で、ここでは、最も重要な取り組みは、澄み切った海や自然のままのビーチから、畏敬の念を抱かせる砂漠や山に至るまで、設定される美しい環境の95%を維持することである。

サウジアラビア沖のほとんどの海域は、5種類のウミガメを含む貴重な野生生物が生息している。そのうち、ヒメウミガメ、アカウミガメ、オオザメの3種は絶滅危惧II類に指定されている。アオウミガメとタイマイの2種は絶滅危惧IB類とされている。

アラビア湾沿岸のカラン島とジュラヤド島は、タイマイとアオウミガメの主要な保護された営巣地で、紅海のラス・バリディ、ファラサン島、シャキール島、ラス・アル・シャアバン、ジャバル・ハッサン、サナフィル島でも繁殖している。

サウジアラビア国立野生生物センターは、開発のための生態学的基準を設定し、一連のリハビリテーションプログラムと調査研究を通じて、海洋生物多様性の保全と回復に向けたサウジアラビアの幅広い取り組みの一環として、これらの生息地を保護している。

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