
アラブニュース
ドバイ:格付け会社である「S&Pグローバル・レーティング」(S&P社)は、最新のレポートにおいて、サウジアラビアの経済は、原油価格の上昇と新型コロナウイルスのワクチン接種の成功により恩恵を受けるだろうとし、サウジアラビア経済の安定した見通しを確認した。
S&P社の半期レビューでは、新型コロナウイルスパンデミック後の好調な業績と石油部門の改善を理由に、サウジアラビアのソブリン格付けはA-/Stable/A-2に据え置かれた。
サウジアラビアの経済成長は非石油部門で顕著に見られ、特に不動産部門では著しい成長が見られる。サウジアラビア政府は2030年までに国民の住宅保有率を70%にすることを目標としている。
また、プラスチックや石油化学製品の輸出もサウジアラビアの非石油製造業を支え、上半期の個人消費は3%増加した。
また、観光業界の規制が緩和されたことにより、ホテル業界や接客サービス業界など他の非石油産業の成長も支えられた。
さらに、新型コロナウイルスのパンデミックとそれに伴う減産の影響を大きく受けた石油部門でも進展が見られた。サウジアラビアの昨年のGDPは4.1%縮小し、1987年以来最大となった。
しかし、S&P社のレポートによると、特にOPEC加盟国に非加盟主要産油国を加えた「OPECプラス」が全体の原油生産量について、日量40万バレル(サウジアラビアから10万バレル)回復・増産させることを決定したことにより、石油部門は軌道に乗りつつあるという。
これらの指標は、2021年から2024年にかけての経済成長を牽引する可能性があり、特に政府が財政管理に力を入れていることを考慮すると、その可能性は高いとしている。