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NEOMのグリーン水素プラントの着工は2022年上半期の模様

ACWAパワーのパディ・パドマナサンCEO
ACWAパワーのパディ・パドマナサンCEO
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17 Oct 2021 11:10:57 GMT9
17 Oct 2021 11:10:57 GMT9
  • 2026年第一四半期に液体アンモニアを市場に出荷することは既に表明している。つまり、その時には完成しているということだ。ACWAパワーCEO

ワエル・マフディ、シャサ・アルマソウディ

リヤド:サウジアラビアのエネルギー企業ACWAパワーのCEOは、NEOMのグリーン水素プラントの建設作業が2022年上半期に開始されると予想している。

「この規模のプロジェクトは初めてのことで、初めて実施する作業がとても多かった。そのため、非常にたいへんで、また長納期品の建設資材の前倒し購入も既に若干始めている。その結果として、進行中の活動はきわめて多い」とACWAのパディ・パドマナサンCEOがアラブニュースのインタビューで語った。

パドマナサン氏は、NEOM社、米国の工業用ガス企業エアープロダクツとの合弁事業となるこのプロジェクトの資金調達合意の時期は来年上半期になると予想している。合弁事業ではプロジェクトへの助言を受けるために金融会社ラザードを雇っていることを、同氏は先月アラブニュースに語っている。   

「資金調達合意が結ばれたらすぐに本格的な建設作業に入る。2026年第一四半期に液体アンモニアを市場に出荷することは既に表明している。つまり、その時には完成しているということだ」

10月4日にサウジアラビアの株式市場に上場したACWAパワーは、計画されている未来都市NEOMでのグリーン水素合弁事業の資金として、来年第一四半期に数十億ドルの調達合意をまとめる予定であることを、先週ACWAのCEOがロイターに明らかにしている。65億ドルのプロジェクト資金の約2割は株式で調達し、残りはリミテッドリコースプロジェクトファイナンスになるという。

NEOMのプロジェクトはサウジアラビア王国と同社にとってゲームチェンジャーになるとパドマナサン氏は考えている。完成すればACWAの同産業への進出を助けることになるためだ。プラントに電力を供給するのに約4.3GWのクリーンエネルギーが必要だが、ACWAでは日中は太陽光、夜間は風力を利用して、電池や高価な保存ソリューションを不要にする計画を立てていることを同氏はアラブニュースに明らかにした。

2020年7月、エアープロダクツはACWAパワー、NEOMとの共同発表として、再生可能エネルギーが電力を供給する、50億ドル規模の世界クラスのグリーン水素によるアンモニア生産施設の契約に調印したことを発表した。現在はNEOM新産業都市での着工に向けた計画・設計段階にある。

今回の合弁事業はNEOM地域が世界の水素市場の主要プレーヤーになるための第一歩だ。気候変動の課題に対応し、世界の輸送セクターに持続可能なソリューションを提供するために、環境に優しい水素生産施設が建設されることがこの事業には期待される。

パートナー3社が所有権を等分するこのプロジェクトでは、輸送システムにエネルギーを供給するバイオ燃料の用途で、水素を液体アンモニアの形で世界市場に向けて輸出する。

カーボンフリーの水素を日量650トン、グリーンアンモニアを年間120万トン生産し、年間300万トン相当の二酸化炭素排出を削減する。

ACWAパワーは13カ国で事業を行い、ウズベキスタン、エジプト、南アフリカ、インドネシアの再生可能エネルギープロジェクトやサウジアラビアの大規模パイプラインプロジェクトの入札に参加していることをCEOは明らかにした。

公的投資基金(Public Investment Fund)が主要株主で、すべてのプロジェクトの資金調達にプロジェクトファイナンスを利用する同社だが、成長し続けるために、自己資金でそれらのプロジェクトに年間約28億サウジアラビア・リヤルを投資し続けるとパドマナサン氏はアラブニュースに語った。

ACWAパワーは今年、投資総額約160億ドルとなるプロジェクトを計画していることを、7月にACWAのCFOがアラブニュースに明らかにしている。

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