フランク・ケイン、ディーマ・A・クデイル

リヤド：バンダル・アル・ホレイフ工業・鉱物資源大臣は、サウジアラビア経済は新型コロナウィルス感染拡大により後退したが、その後、着実な成長と回復を見せていると述べた。

大臣は、2020年、工業部門は一定の成長を見せ、33,000の雇用が創出されたと述べた。

大臣はアラブニュースにこう語った。「新規投資は23億ドル以上にのぼりました。また、パンデミックによって我が国独自の流通網を構築することの重要性が明らかになりました」

「流通は国の力です。我が国は、流通を強化し、サウジのみならずアラブ地域や世界の市場をカバーするという戦略を推し進めようとしています。今回の経済後退にもかかわらず、サウジアラビアにはアラブ地域や世界の産業大国になる力があります」

今月初めの政府データによると、サウジアラビアの工業指数は、前年比で5.8％、前月比で5％アップした。

総合統計局によると、工業活動の伸びをもたらしたのは、指数のうち74.5％を占める鉱業・採石業における生産増である。

石油生産を含む鉱業活動は、ここ1か月で6.5％増加した。サウジは、2020年8月には日産890万バレルだった石油生産量を、2021年8月には日産950万バレルまで増やした。

アル・ホレイフ大臣によると、工業・鉱物資源省は、工業、鉱業、エネルギー、物流を対象とする様々なプログラムに分けて今後の展望を考えている。

「今、我々が実感しているのは、我が国が掲げる『サウジビジョン』達成には、我々皆がしっかりとまとまり政府が一丸となって取り組むことが絶対に必要だということです」と大臣は述べた。

各々のプログラムは、投資へのGDPの貢献や雇用創出などの大目標を掲げる『ビジョン』における最大規模のプログラムである。

エネルギープログラムがめざすのは、上記4つのセクターが互いに整合性を持ち補完し合いながら統合していくことである。

「要するに、工場にはエネルギーが、エネルギーには工場が、工場には輸送手段が必要なのです。そしてエネルギーにとっても、輸送手段や鉱業が必要なのです」と大臣は語った。

さらに、同省は様々なセクターの戦略も検討した。各戦略はサブセクターをターゲットとしている。

「『ビジョン』の適正な実行には、そのための政策や実現手段も必要です」と大臣は言った。

大臣は、新型コロナは全産業を破壊したとし、あらゆる産業の今後の戦略において鍵となるのはテクノロジーであると述べた。

「人的資源の育成をどう考えていくかは非常に重要なポイントです。人材の再教育、教育、ビジネスモデルに対する考え方も変わりつつあります」

「今回のパンデミックにより、あらゆる国が厳しく試されたのだと思います。いかに回復力があるか。弱点は何なのか、強みは何なのか。パンデミックは、どこに重点を置くべきか、何を足掛かりに伸びていくべきなのかをライブで示してくれるデモンストレーションでした」と大臣は語った。

大臣によると、パンデミック対応においてサウジアラビアが大きな成功を収めたのは、今まで保健分野で行ってきたことの成果である。大臣はこうも語った。「コミュニケーションインフラの構築に力を入れてきたことも功を奏しました。それなしには保健分野は機能しませんから」

「それなしには学校のシステムも政府のシステムも機能しないでしょう」

大臣によると、工業分野の企業は地方本社の移転を考えている。

「実際、FIIでは数社の工業系企業が本社移転を発表しました」と大臣は語った。