
ワン・カルロ・ディアス
ドバイ:ロールス・ロイスとVertical Aerospace社は完全電動航空機の2025年までの商用化を目指しているが、両社の幹部は需要とインフラの面で中東が理想的な市場だと語っている。
2社は、排出ゼロの新しい都市間輸送手段となる可能性を秘めた電動垂直離着陸機「VA-X4」を開発中だ。
「私たちは2025年までに50機程度の就航を目指し、10年後には数千機規模を目標としています。そのため、開発を非常に急いでいます」と、Vertical Aerospace社の電源・システム設置責任者であるローレンス・ブレイクリー氏は語る。
機体はまず米国で商用化される可能性がある。だが、ブレイクリー氏とロールス・ロイスのUAM責任者であるガブリエレ・テオフィリ氏は、中東での展開の可能性について合意している。
「私たちは、古い市場に代わる新市場の創出に集中的に取り組んでいます」とブレイクリー氏は述べ、機体導入の可能性について現地当局と協議していることを認めた。
協議は進行中のため、2人はそれ以上のコメントを控えた。
インフラについて言えば、中東は環境的に有利だとテオフィリ氏は語る。
彼は「使われていない土地が豊富にあるため、希望の場所に垂直型の飛行場を設置できる柔軟性があります」と説明し、電動航空機を実現するには、そもそもインフラ整備が重要であることを強調した。
「私たちは既存の大陸に比べて、必要な方法でインフラを整備するチャンスがあります」とテオフィリ氏は言う。
ロールス・ロイスの電化部門の責任者であるロブ・ワトソン氏は、都市のエアモビリティを変革するという中東のビジョンは、最新の輸送手段に投資する同社の取り組みと相性がいいと述べている。
2016年創業の英国のスタートアップVertical Aerospaceは、Mudrick Capitalから2億500万ドルの投資を受けたことを過去に発表している。同社は資金を活用し、技術のさらなる発展と世界的な事業拡大を目指す。
同社の組立工場は英国にあるが、ブレイクリー氏は需要がある市場での生産拠点の開設も視野に入れている。