東京:1月5日、日本の日経平均株価は、ソニーグループやトヨタ自動車などの優良株の上昇が、米国の早期利上げに対する懸念から低迷したハイテク大企業の下落幅を上回って、わずかに上昇した。
日経平均株価はこの日何度もマイナス圏に落ち込んだが、終値では0.1%上昇して29,332.16となり、より幅広い銘柄を代表するTOPIXは0.46%上昇して2,039.27となった。
新興企業を対象とするマザーズ指数は、米国の中央銀行が早期利上げに踏み切るとの予想から割高な成長株が売られて5%下落し、2020年5月以来の低水準になった。
アイザワ証券のファンドマネージャーである三井郁男氏は、「まもなく米国の金利が上昇すると予想され、投資家はPER(株価収益率)が高い企業の株を売った」と語った。
「他方で、ファンダメンタルズのしっかりしている企業は投資家を惹きつけた。例えば、今年は生産が回復すると予想され、弱い円が収益を押し上げる可能性もあるトヨタは好感を持てる銘柄だ」
トヨタは2021年に米国の自動車販売でゼネラル・モーターズを上回ったことでさらに持ち直して2.57%上昇した。デトロイトに本社を置く同社が年間販売台数で米国の首位から陥落したのは1931年以来のことだ。
ゲームメーカーであるソニーグループは、電気自動車市場への参入を検討するために今春に新会社を設立する計画を明らかにしたことを受けて、3.67%もの大幅な上昇を見、日経平均株価上昇への寄与が最大であった。
保険部門は、高金利が利益を押し上げるとの期待から、東京証券取引所の33の業種別サブインデックスのなかで最大の伸びを示し、3.16%上昇した。
高止まりしている高インフレを抑えるために米連邦準備制度理事会が年半ばまでに実施する利上げに投資家が備えたことで、ほとんどの米国債の満期利回りは夜間に上昇した。
ハイテク大企業は下落し、半導体製造装置メーカーの東京エレクトロンは1.4%、医療プラットフォームのエムスリーは6.42%の下落を見た。医療設備メーカーのテルモは2.17%下落した。
ロイター