
アラブニュース
リヤド:木曜の石油価格は前日の急落の後、上昇した。市場は、ウクライナ侵攻への制裁措置によるロシアの生産量の穴を埋めるため、主要生産国が供給を増やすかどうか注視している。
ブレント原油LCOc1先物は3.10ドル(2.8%)上昇した。5ドル以上の幅で取引された後、GMT時間4:19現在、1バレル114.24ドルをつけている。ベンチマークとなる同先物は前日、一日の下げ幅としては約2年ぶりとなる13%の下落を見せていた。
米国のウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)原油CLc1先物は、4ドル以上の幅で取引された後、1.58ドル(1.5%)高の1バレル110.28ドルとなっている。こちらも前日の取引で大きく下げており、その日中下げ幅は11月以来となる2.5%だった。
The UAE believes in the value OPEC+ brings to the oil market.
— سهيل المزروعي (@HESuhail) March 9, 2022
The UAE is committed to the OPEC+ agreement and its existing monthly production adjustment mechanism.
UAEエネルギー相が自らの立場を明確にする
UAEエネルギー相のスハイル・アルマズルーイ氏が水曜遅くにツイッターで、石油輸出国機構とロシアを含む同盟国(合わせてOPEC+)の既存の合意を尊重すると述べた。この合意では、2020年の大幅削減後に、毎月一日あたり40万バレルずつ石油供給を増やすことが決められている。
「UAEはOPEC+が石油市場にもたらす価値を信じている」と、アルマズルーイ氏は述べた。その数時間前、駐ワシントンUAE大使が、ウクライナ侵攻を受けた対ロシア制裁による供給ギャップを埋めるため、UAEがOPECに対し増産を検討するように促すと発言し、価格は下落していた。ロシアは、今回の侵攻を、ウクライナを武装解除させるための「特別作戦」と呼んでいる。
これらのUAE当局者のコメントは、市場が、米国のベネズエラ産石油に対する制裁措置を緩和する動きの他、テヘランとの核合意締結に向けた取り組みも考慮に入れている状況の中で出された。今年後半にはイランからの石油供給が増える可能性がある。
現在の形でのOPEC+合意は終わろうとしている?
UAEとサウジアラビアには生産余力があるもの、他のOPEC+生産国の中には、過去数年間のインフラ投資不足により、生産目標の達成に苦労しているところもあって、さらなる増産には限界があるものと思われる。
コモンウェルス銀行の商品アナリスト、ビベック・ダール氏は、「このような環境下でOPEC+が増産するのは困難だと考えている」と述べた。
しかし、スタンダードチャータードのアナリストは、OPECがロシアの供給ギャップを埋めようとし、「現在の形のOPEC+協定を事実上終わらせるだろう」と予測した。
バイデン大統領は執行権を使ってロシア産石油に禁止令を課す
米国下院は水曜、モスクワがウクライナへの攻撃を続けていることに対する報復として、ロシア産石油とその他のエネルギー製品に輸入禁止措置を課すことを多数決で決めた。
ジョー・バイデン大統領が火曜日に執行権を行使してそのような禁止令を課したことを受け、投票がまだ行われている最中も、民主党が優勢な下院は法案可決が確実な勢いだった。
金価格は下落
金価格は木曜、下落した。アラブ首長国連邦が石油の増産に協力すると発言したことを受け、石油が値下がりした後、世界の株式がニューヨーク市場に追随して上昇し、安全資産である金の魅力が薄れた。
金のスポット価格は、早い取引時間に1%下落した後、GMT時間4:20までに0.8%値下がりし、1オンス1,975.79ドルで取引されている。米国金先物は0.3%安の1,982.40ドルとなっている。
安全資産である金は、火曜日につけた2020年8月以来の記録的な高値から下落し、前日の取引では2021年1月以来最大の日中下げ幅となる約3%の反落を見せていた。