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イラクの貴重な米作、干ばつで危機

5月1日、イラク中部の精米工場で働く男性たち。高級なラム料理などの香り高いベースとなり、苦境にある経済の重要な分野である、イラクの伝統的な琥珀米の栽培を干ばつが脅かしている。(AFP)
5月1日、イラク中部の精米工場で働く男性たち。高級なラム料理などの香り高いベースとなり、苦境にある経済の重要な分野である、イラクの伝統的な琥珀米の栽培を干ばつが脅かしている。(AFP)
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16 May 2022 02:05:51 GMT9
16 May 2022 02:05:51 GMT9

アル・アバッシヤ(イラク):琥珀米は高級なラム料理などの香り高いベースとなり、苦境にある経済の重要な要素となっているイラクの伝統的な琥珀米の栽培が干ばつにより脅かされている。

琥珀米は琥珀の樹脂のような特有の香りから、その名がついた長粒種の米である。イラク料理では、高級なラムのクージやマンサフ、野菜の詰め物などに使われる。

しかし、3年にわたる干ばつと降雨量の減少により、イラクの琥珀米生産は2022年には形ばかりなりつつあり、消費者は輸入品種を求めざるをえず、農家は今後について頭を悩ませているのが現状である。

アブ・ラスル氏は、平時には、ナジャフ州中央部のアル・アバッシヤ村近くの2ヘクタール(5エーカー)を灌漑する小さな用水路のそばに立ちながら「私たちはこの土地で生きている」と言う。

「子供の頃から琥珀米を植えてきました」と話す70代の彼は、顔にしわがあり、無精ひげを生やし、まばゆいばかりに純白のディシュダーシャのローブをまとっている。「水があるおかげで毎年植えることができます」

今年を除いて。

水不足

本来ならば、5月中旬に田植えをした水田は、夏の間はずっと10月まで水を張っていなければならないのだが、イラクではもうそのような贅沢は許されない。

ナジャフの水資源管理者であるシャケル・ファイズ・カジム氏はAFPに対し、国内で利用可能な水資源は「我々の危機的水準である180億立方メートルをはるかに下回っています」と語った。

米は約5か月の栽培期間中に100億〜120億立方メートルの水を消費するため、「米の栽培は水を多く必要とするため、ナジャフや他の州では難しい」とカジム氏は言う。

以前は、琥珀米の収穫の70%以上がディワニヤ州と近隣のナジャフ州で栽培されていた。

農業省によると、政府は5月上旬、ナジャフとディワニヤのみで、米の総作付面積を1,000ヘクタール(2,471エーカー)に制限した。

通常の割り当てはその35倍である。

水不足は小麦農家への割り当ての減少にもつながっている。

農業省企画部門高官のモハメド・シャセブ氏によれば、同国の米の年間生産量は30万トンだった。

気候変動

イラクは、アラビア語で「二つの川の間の土地」を表す「メソポタミア」文明が生まれたチグリス川とユーフラテス川が流れる国である。しかし、その2つの伝説的な水源にもかかわらず、水の供給は長年にわたって減少しており、気候変動の影響や砂漠化に対して最も脆弱な5か国のうちの1つに分類されている。

その結果は悲惨なものである。数十年にわたる戦争と反乱の後、イラクが直面している様々な課題に、河川の枯渇、砂嵐の激化、農作物の収穫量の減少などすべてが加わっているのである。

チグリス川、ユーフラテス川とその支流は、トルコ、シリア、イランに源を発し、その上流でダムを建設している。そのため、イラクに入ると水量が少なくなる。

政治的措置の必要性

カジム氏によると、ユーフラテス川は通常の3分の1程度まで水位が下がっている。カジム氏は、より多くの水量を得るための「政治的措置」を望んでいる。

ナジャフ農民組合長のアハメド・ハッスン氏(51)は、最悪の事態を懸念する。

ハッスン氏は「水不足で米作が消滅する危険性があります」と政府を非難している。

農業技術者であるハッスン氏は「イラクが今後数年間、雨不足になることは分かっています」と話す。それにもかかわらず、「灌漑システムの近代化」には全くの手つかずであると不満を漏らしている。

AFP

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