アラブニュース
ジェッダ:ペトロミン(Petromin)社の完全子会社でE-モビリティのターンキー・ソリューションを提供するエレクトロミン(Electromin)社は、電気自動車用充電ステーションを国内全土に展開することを発表した。
充電ネットワークは全国100カ所に及び、顧客中心のモバイルアプリと連携した利用が可能だ、と同社関係者はリヤドで開催された式典で公表している。
これにより、電気自動車用充電ステーションへのアクセスがドライバーにとって容易になり、長距離の移動が可能になる。
エレクトロミン社の充電ネットワークは、家庭・オフィス用のAC充電器からDC急速充電器、DC超急速充電器まで、あらゆる顧客層に対応した広範なサービスを提供する予定だ。
発表によれば、第1段階で設置される充電器は、サウジアラビア標準化公団(Saudi Standards, Metrology and Quality Organization)の認定を受けた全てのホモロゲーション車両(ACタイプ2コネクタを使用)に対応することが計画されている。第2段階では、AC充電器と最大出力360kWのDC充電器を追加する予定で、利用者が最大100kmの走行に必要な充電を4分間で効率的に完了できるという。
5月上旬には、ペトロミンエクスプレス(Petromin Express)とペトロミンオートケア(Petromin AutoCare)の指定店舗に設置された全ての充電ステーションがアプリに表示される見通しだ。このアプリにより顧客は、最寄りの公共充電器の検索、走行経路の計画、充電器の利用ステータスの確認、充電セッションの開始および終了時刻の管理を行うことができる。アプリは、料金の支払いや予約の面でも便利だ。
エレクトロミン社のエネルギー・EVインフラ担当ディレクターを務めるトニー・マッツォーネ氏は、「弊社は2030年以降にまで及ぶ重要な国家戦略を進めており、EV充電ステーションの国内全土への展開はその第一段階となる」と述べている。
また、同氏によれば、エレクトロミン社の先進的なソリューションは、「サウジのEVエコシステム」の発展に貢献し、「2060年までに温室効果ガス排出量のネットゼロを達成し、2030年までにリヤド市内の全車両の30%を電気自動車にするという政府の優先事項と公約に沿う」という。
充電ステーションの全国ネットワークを構築することは、環境汚染の軽減、雇用機会の創出、そしてサウジアラビアのクリーンエネルギー投資を実現するクリーンな自動車の普及につながる。
トニー・マッツォーネ氏
「調査によると、国内の電気自動車販売台数は増加する見込みで、今後8年間で130万台に上ることが予測されている。充電ステーションの全国ネットワークを構築することは、環境汚染の軽減、雇用機会の創出、そしてサウジアラビアのクリーンエネルギー投資を実現するクリーンな自動車の普及につながる」
エレクトロミン社のコマーシャルディレクター、グラハム・タンクス氏は、「エレクトロミン社は、自治体から完全な認定を受けたSASO規制の充電器を使用して、公共充電ソリューションを提供する国内初の企業だ。信頼できる完全な充電ネットワークが存在することで、ドライバーは進んでEVに乗り換えることができる」
エレクトロミン社は、今後の価値提案の拡大や充電ネットワークの展開に合わせて、アプリの追加機能やアップグレードを近日中に行う予定だ。
アプリは、Google PlayやApple Storeでダウンロードし、支払いカード情報を登録した後に、利用を開始することができる。また、専用のコールセンターに問い合わせることで、充電や、故障、技術的なエラーについて案内・支援を受けられる。
さらに、「エレクトロミンモバイルEVリカバリーサービス」によるサポートも開始した。同サービスでは主に、EVがバッテリー切れを起こした顧客に、路上で発生したトラブルへの対応を提供する。当初はリヤド、ジェッダ、ダンマンの3都市に限定して実施される予定だ。