
東京:ソニーは7日、かつて同グループのトップとして巨大企業を10年間率いた出井伸之氏が今月2日に肝不全で亡くなっていたことを公表した。
1995年に社長に就任した出井氏は、ソニーをハード中心からコンテンツ事業に転換させた。だがウォークマンを生み出した同社は、同氏の任期中にMP3や薄型テレビへの対応に失敗した。
その結果、ソニーは自ら生み出した携帯音楽産業の主導権をアップルに奪われ、テレビ市場では国内の競合社や韓国企業の後塵を拝する結果となった。
出井氏は業績低迷の責任を取るかたちで辞任。後任には英国出身のハワード・ストリンガー氏が就き、同社初の外国人社長となった。
出井氏はソニー退職後も、相談役や取締役として日本の産業界で一定の役割を果たし続けた。
ロイター