
木曜日のアジア取引時間で、原油価格は上昇した。米国の燃料需要低迷を示すデータによって数カ月ぶりの安値となった前日から持ち直した。
ブレント原油先物は、0020GMT(日本時間午前9時20分)までに53セント(0.6%)上昇し、1バレル97.31ドル、WTI原油先物は55セント(0.6%)上昇し、91.21ドルをつけた。両者とも前日は2月以来の安値に落ち込んでいた。
エネルギー情報局によれば、先週は、輸出の減少と製油所の稼働率低下により、米国原油在庫が予想外に増加し、需要の鈍化によりガソリン在庫も予想外の増加を記録した。
供給面では、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの同盟国から成るOPEC+の閣僚が、生産目標の小幅な引き上げに合意した。引き上げ幅は、世界の石油需要の約0.1%に相当する。
米国はOPEC+に増産を要請しているが、余剰生産能力は限られている。また、サウジアラビアは、モスクワが「特別作戦」と呼ぶウクライナ侵攻に対する制裁で打撃を受けたロシアを蔑ろにして生産を強化することに難色を示す可能性がある。
会議に先立ち、OPEC+は今年の石油市場の余剰予測を日量20万バレル引き下げ、80万バレルとしたと、代表者3人がロイターの取材に対し明らかにした。
カザフの油田とロシア黒海のノボロシスク港を結ぶカスピアン・パイプライン・コンソーシアム(CPC)は、供給量が大幅に減少していると述べ、価格を下支えした。ただし、具体的な数値は公表されなかった。
ロイター