
トヨタ自動車は23日、ロシア工場での生産から撤退すると発表した。
ロシアのウクライナ侵攻に伴うサプライチェーン(供給網)の混乱で部品調達に支障が生じ、事業継続は困難と判断した。
生産終了に伴って販売も打ち切ると説明している。
日本の自動車大手でロシアでの生産終了を決めたのはトヨタが初めて。
ロシアに生産拠点を持つ日産自動車やマツダ、三菱自動車も、事業を継続するかどうかの決断を迫られそうだ。
トヨタによると、ロシア北西部サンクトペテルブルクにある工場は土地、設備ともに売却する方針。
海外拠点の閉鎖は2017年10月のオーストラリア工場以来となる。
トヨタは今年3月、西側諸国による対ロシア制裁の影響で部品の安定供給を受けることができず、工場の操業を停止。
ロシアへの自動車の出荷も見合わせていた。
ロシアでは今後、既存顧客のためのアフターサービスなどに限って継続。
現地従業員には退職金の上乗せ支給や再就職支援を行う。
トヨタのロシア工場は07年に生産を開始した。
スポーツ用多目的車(SUV)「RAV4」とセダン「カムリ」をロシア国内向けに製造し、昨年の生産台数は約8万台だった。
サンクトペテルブルクはプーチン大統領の故郷。生産開始の記念式典にはプーチン氏自ら出席していた。
時事通信