
カジュアル衣料の「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングが13日発表した2022年8月期連結決算(国際会計基準)は、純利益が前期比60.9%増の2733億円と、過去最高を更新した。新型コロナウイルス感染拡大が落ち着き、欧米や東南アジアなど海外で売り上げが伸長。円安が円換算の利益を押し上げ、値引き販売の抑制も収益向上につながった。
国内では、冬物の売れ筋商品の欠品が響いて減収となったが、値引き抑制で増益を確保した。中国大陸ではコロナ対策の行動制限が響き減益。ウクライナ侵攻で営業を停止したロシアでは減損損失を計上し赤字だった。
売上高に当たる売上収益は7.9%増の2兆3011億円、本業のもうけを示す営業利益が19.4%増の2973億円と共に過去最高。23年8月期も増収・営業増益を見込む。
記者会見した柳井正会長兼社長は、ユニクロで実施した秋冬物の値上げについて「今のところ影響はない。売り上げは好調だ」と説明。その上で「値引きしなくて済む種類のベーシックな商品で来年も売れる」と語った。
生活雑貨店「無印良品」を展開する良品計画も22年8月期連結決算を13日発表。純利益は円安や輸送費高騰によるコスト上昇で27.6%減の245億円だった。
時事通信