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リヤド:サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子はサウジアラビアを世界のサプライチェーンの中心地として位置づける新たな構想を発表した。サウジ・プレス・エージェンシーが伝えた。
「世界サプライチェーン弾力性イニシアチブ」(GSCRI)は、継続的な投資環境の向上、および魅力的な機会と、ユニークなインセンティブ予算から成る。この予算には、100億サウジリヤル(26億6,000万ドル)の金融および非金融インセンティブが含まれている。
立ち上げの段階では、同イニシアチブは世界のサプライチェーンから、工業およびサービス分野で400億サウジリヤル相当の投資をサウジアラビアへ誘致することを目標としている。
GSCRIは、昨年10月に始動したサウジアラビアの国家投資戦略の一環である。その主要な目標は、サウジアラビア王国をサプライチェーンの投資家から見て、第一の選択肢となるような投資環境へと変えることである。
この目標のため、イニシアチブは投資機会を正確に見定めてこれを発展させ、潜在的な投資家に提示することを目指す。また、国際的企業を誘致してサウジ国内に地域での拠点を置いてもらえるよう、経済特区を設ける予定である。
地域および世界の市場と強固な関係を築くと同時に、GSCRIは投資家がサウジアラビアの天然資源と未開拓の可能性を最大限活用できるような環境を整える。
このイニシアチブはサウジビジョン2030で掲げられた、2030年までに経済規模で世界15位以内に入り、若い世代に繁栄を引き継ぐという目標と合致している。
GSCRIはさらに、サウジビジョン2030が謳う、経済成長と多様性の実現という目標を補完するものでもある。
皇太子が最近立ち上げた国家投資戦略では、工業の発展を促進して2035年までに工場数を約3万6,000まで増やすという目標も掲げられている。
国家投資戦略はまた、投資を呼び込むとともに経済の多様化に貢献し、サウジビジョン2030の目標に沿って国内生産を発展させ、石油以外の輸出品を開発できるような産業経済の実現を目指している。
「野心的な若い才能、際立った地理的条件、豊かな天然資源と一流の国営企業など、競争力があると同時に維持可能な産業経済を実現するために必要な資質を、我々はすべて備えている」と皇太子は述べた。