ナジャ・フーサリ
ベイルート:主要な観光施設であるベイルート国立博物館は、発電機を作動させるために文化省から割り当てられたディーゼルが底をつき、暗闇に包まれている。
この博物館では、夏の初めから観光客の数は減少していた。
運営者は、窓から差し込みホールを照らす日光に基づいて開館時間を変更した。
従来は午前9時から午後5時までであったが、現在は午前10時から午後2時までとなっている。
ベイルート国立博物館では、来館者は携帯電話を使って展示品を照らしている。(アッマー・アブド・ラッボ氏によるAN写真)
アラブニュースのカメラマンは、観光客が携帯電話で遺物を照らしているのを目撃した。
閣僚会議で、モハメド・モルターダ文化相は、燃料切れとなった後に博物館の発電機を作動させるための燃料を購入するための予算を提供することができず、燃料用に割り当てられた資金も使い果たしたと不満を漏らした。
モルターダ氏は、「他の多くの施設と同様、国立博物館も電力危機に悩まされています」とアラブニュースに語った。この危機は、観光シーズンが本格化し、何千人もの国外居住者が夏休みのためにレバノンに到着するこの時期に深刻化していると彼は述べた。
「彼らが美術館を訪問できないというのは、受け入れがたいことです。これは、この国の劣悪な国内情勢の反映です」
ベイルートのレバノン国立博物館でフェニキア時代やローマ時代の考古学的遺物を鑑賞する観光客。経済危機のため同博物館は停電中である。観光客は携帯電話の明かりを使って展示品を鑑賞している。(アッマー・アブド・ラッボ氏によるAN写真)
電力危機の他にも、同博物館は、美術館のカメラと最寄りの警察署をつなぐような世界中で見られる適切な保安システムも欠いている。
暫定政府関係者は、「この政府の問題は予算なしで活動している点です。燃料の購入や国家機関の運営にあてる費用がないのです」とアラブニュースに語った。
当関係者は、「閣僚会議において、博物館の支援委員会を設立し、入場料を現在の1万5千円から10万レバノンポンド(3ドル)に引き上げることが提案されました。…確かに良くない案です。しかし、ディーゼル購入資金を集め、この貴重な観光施設の継続を確保するための一つの方法です」という。
しかしモルターダ氏は、「受領した入場料は全て、直接財務省に収めなければならないので、この提案は違法です。うまく行くはずがありません」という。